無精髭

無精者の日記です

現実を正確に把握することがはじめの一歩 放射能瓦礫を片付けよう

2011-05-20 00:13:59 | 日記

 宮城県丸森町で牧草から暫定許容値300ベクレル/Kgの5倍をこえる1530ベクレル、大崎町で350ベクレルの放射線が検出されたという報道がありました。  先日には神奈川県南足柄市で収穫した一番茶の生茶葉の2品目からセシウム134、137の合計でそれぞれ550ベクレル/Kg、570ベクレル/Kgが検出されました。  この生茶葉が加工され水分が飛ばされるとさらに放射線量は増えて荒茶で3000ベクレル/Kgとなって基準の500ベクレル/Kgを超えてしまい、現状ではこの基準を緩和しないとお茶の出荷ができなくなるということでした。

 お茶の件ではどの段階で測定した数値を使うのかが議論になっているようです。  お茶を飲むときにはかなり薄まっているので飲む時点の測定値が水道水の基準300ベクレル/Kgでいいのではないかというものです。  生産者や事業者からすれば同じ飲み物なのにという思いは理解できます。  せっかく苦労して育ててきていざ収穫というときになって出荷停止では今までの苦労が報われません。  しかし、ここでお茶の基準を変えてしまうと他の野菜や穀物、肉などの基準も加工して食べるときの測定値を適用することになってしまい、現実的てきではありません。  

 また、そもそも水道水の基準300ベクレル/Kgにしてからが非常時の基準です。
世界の水道水の基準は WHO基準 1ベクレル(Bq/L)、 アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L) となっていて日本でも事故の前まで、ヨウ素 I-131 10ベクレル(Bq/L)  セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L )と定められておりその根拠は国際放射線防護委員会の勧告(公衆の年間被曝量は1mSv以内)に従いこの設定値を十分に下回る値として決められたものです。  外部放射線量も20倍の年間20mSv、水道水は30倍、食物も・・・となるとそもそもこれまで決められていた基準が何だったのかということになってしまいます。
国民の健康を守るためにはこの水準に抑える必要があるという科学的知見や関係者の合意のもとに決められてきた基準、法律であったはずの規準なのです。

 できるだけ人々の被曝を減らし、生産者も生活が成り立つような方法を考えるしかないのですが、その前提条件として現実の放射能汚染がどのようになっているのかを正確に把握することが、対策を考えるはじめの一歩ではないでしょうか。  今回問題になった宮城県にしてもお茶の産地静岡県も実態調査は行わない方針のようで沈静化に必死のようです。  
しかし、今後も国内の広い範囲で放射能汚染の被害が表面化してくるのは確実で、風評被害を心配して実態の把握を怠ったり、測定結果を隠したりしていては被害の実態把握をあやまりしいては国民にとって最良の選択が何かを判断することができません。  そもそも風評被害が出るのはこのような隠蔽体質が購買者の不安を増幅し、商品の品質に不信をもたれることが原因ではないでしょうか。  どこかのお偉い人がおいしいおいしいといいながら食べてみせるあのパフォーマンスにどれだけの効果があるでしょうか。  それよりもはっきりと00ベクレルと表示されていたほうが消費者には安心です。  消費者はそれぞれの条件によって判断基準が違うのですから安全安全という前にデータを表示するというのがこれまで進めてきた方向だったはずです。   

 大量に、広範囲にばら撒かれてしまった放射能は原発震災の瓦礫です。  目に見えないだけにやっかいで危険なものです。  政府もやっと学校の校庭などの除染(放射能を取り除く)対策を検討し始めました。  郡山市の独自の除染作業が始まって、やっと重い腰をあげざるをえなかったのでしょう。  徹底した放射能汚染調査に基づいて生活空間や人の集まる公共施設、道路や農地など可能な限り科学技術を駆使して取り組むべきです。  高濃度に汚染された土は従来の法律に基づいて処理されるべき低濃度放射性廃棄物なのですから見えないことをいいことにして放置するわけにはいかないのです。  この放射能瓦礫を放置すればその量に応じて私たちの積算被曝量が増えていくのです。  日本は水の浄化や空気の浄化、土壌改良など環境産業でも世界のトップクラスの技術力を持っています。  いまこそ企業の利益のためでなく国民を守るためにこの技術力を生かしてもらいたいものです。  すべては国民のために! すべては子供たちのために!

 

 

 





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