Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

Nokkoが音符をハミ出す訳。

2006-04-30 10:05:54 | 日本のロック・ポップス
レベッカ(Rebecca)
「Poison」(1987)

ワタクシはどうしてもレベッカというと、「ホットロード」というマンガを連想してしまうんです。キーワードは「ママ」ですかねぇ。

Nokkoの詞には、印象的なトコロで「ママ」が出てくるんですよねぇ。
「Friends」でも、「When A Woman Loves A Man」でも。
このアルバムでは「Moon」と「Olive」で出て来ます。
しかも、詞に出てくる「ママ」とはイイ関係じゃないんですよね。
「世間」だとか「社会」のように、「ママ」は「自分を拒むモノ」として描かれているような気がする。

少なくとも、これらの歌の主人公達は「ママ」が象徴する「社会一般」からは愛されていないと思っている。だから、歌の主人公達は「誰かワタシを愛して!」とか「愛されるように魅力的にナリタイ!」とかソんな思いが激しくなる。そして、逆に憎悪の感情も激しくなる。音符をハミ出すNokkoのボーカルの激しさって、そういうコトだと思うンですが、どうでしょうか?
(一時的再結成で2000年に発表された「神様と仲なおり」が感動的だったのは、コうイウ背景があってのコトだと思います。)

さて。
そういう激しい愛憎と、研ぎ澄まされたサウンドがミゴトに合致した傑作が、このアルバムじゃないかと思うっス。
もちろん、タイトルが「Poison」だけあって、愛憎の「憎」の方が支配的雰囲気を持っている訳で、アルバム全編を張りつめた緊張感が漂ってマス。サウンドは、シャープでストイックで、暖かみゼロ。ギターも、キーボードも全て意図的に、冷ややかな音色を選んでいるように聴こえます。そして、Nokkoのボーカルも鬼気迫る凄さ。(Nokkoと中島みゆきって、歌い手として通じるトコロがありますよね。)

曲は粒ぞろい。
シングルでもあった「Moon」と「Nervous But Glamorous」は、ブレイクした頃の"突っ走るレベッカ"とは別の形のレベッカの完成形。特に「Nervous But Glamorous」は、ボーカル、曲、アレンジ、演奏の全てがレベッカを代表する傑作だと思います。他の曲も、とにかくタイトで、シャープ。付け入る隙がナイって感じです。

レベッカのもう一枚の傑作アルバム「Rebecca IV ~Maybe Tomorrow」(1985)についても、またいつか書きます。温度は全然違うけどコッチもいいよねぇ。
コメント (4)
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