ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

ユビキタス、ムーアの法則。

2009年07月26日 | blog

学生の頃。1992年頃かな。

講義で、情報化社会とか、マルチメディアとかいう言葉がキラキラと語られていて、なんだかうさんくさくて興味も持てずにナナメに見ていたけれど、でもたぶん、情報とかいうやつは果てしなく膨大で、とうてい脳に収まるものではなく、だから、「必要なときに、必要なものを、探し出す能力」というものが、重要なスキルになるんだろうな、と、ぼんやりおもっていました。
情報は脳の「外」にある。でもまるで「中」にあるように、さっと必要なものを持ってくる。それは、記憶の外在化。

そして、ヤフーさんがグーグルを作ってくれたおかげで、「必要なときに必要なものを探し出す能力」は、特殊なスキルではなくなりました。
問題は、物理的に、外在化した「自分の脳」?に、どうやってアクセスするかということ。それも、時と場所を問わず。

あるときそれは、電子辞書でした。だから、いちばん小さくて、肌見離さず持ち歩ける機種を選んで。

i-mode以降の携帯電話は役に立ちました。でもまだ、取り出せる情報は弱々しくて、脆弱でした。

そして、iPhone。



完璧ではないけれど、肉薄しています。
あとすこし、足りないのは、もう一歩、脳と直結したインタフェイスと、肌身離さず一体化するためのソリューションだとおもっています。わたしがケースにこだわるのは、そういうことです。

ユビキタスという言葉は、まだ死んでない。これからだとおもうのです。



それで、いま私が感じているのが、「ムーアの法則は、私の脳にはあてはまらない」ということです。

どんなにメモリが増えても、脳はたいして変わらない。
情報は、今後も増え続ける、ということが大前提になっていますが、それはそうかもしれないけれど、情報と「つきあう」個々人から見たら、時間は有限だし、むしろ、みかけ上は減るのではないか。

インプットとアウトプットのバランスが崩れている。
「どうやって、触れる情報を減らしてゆくか」、ということが重要になってくるとおもいます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿