物欲パンツ

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「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」

2010-12-26 18:01:13 | マンガ・小説・雑誌等
「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」って本を読みました。向上心が足りない人間である自分にとって、このジャンルの本は無縁の存在だったのですが、なぜか目に止まったこの本をぱらぱらっと目を通したあとは自然と足がレジに向かっていました。



グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれたと言いながら、グーグルでの成功談ばかりではないんですよね。むしろ、VAIO、スゴ録、ここ数年のSONYのヒット商品に関わった著者 辻野晃一郎さんのソニーでの冷遇ぶりに気の毒になるほどの苦労話です。しかし、そのほとんどが組織、人事等、どこの企業でも抱えているであろう問題点なので、自分の会社と重ね、なるほどと思うことも多いです。



自分の文章ではあまり表現出来ないのですが、とにかくおすすめできます。今、SONYには魅力的な商品がなにもない…そう思っているSONY好きの人には、ぜひ一度は読んでみて欲しいと思います。



そして、この本を読んだ後でPC Watchの記事「ソニーは、「2011年7月以降」をどう戦うのか~ネットワーク戦略を強化するソニーマーケティング栗田社長に聞く~」(コチラ)を読んでみるとそのヤバさがわかります。



自分はアンチSONYじゃないんですよ、VAIO PCV-MXS2Rなんてクソ高いマイナーPCもかつては買いましたし、Hi-MD MZ-RH1だって所有しています。で、この栗田社長の言葉ですが、「魅力的な製品を提案することで、AV/IT製品を購入していただけるという土壌はある。ソニーには、サイバーショットやハンディカム、ウォークマンといった力を持った製品がある。こうした製品群をより積極的に訴求することが大切になる



えっ…今のSONYのどこにそんな力が…自己分析も出来ていないのでしょうか?…積極的にサイバーショットやハンディカムを選択する理由がありますか?ウォークマン?残念でしょう。



一応説明しておくと、自分はポータブルメモリプレイヤーの類については音質重視派でした。かつて使用したのは、東芝Gigabeat S30、V30T、U201、T802、ビクターaleno XA-C210、並行して使用した初代iPod nano、何世代目かわからないiPod Classicときて、以後はiPod Touchがメインです。



いつからか音質重視よりも、1台だけ持ち歩くものでスマートフォン的な使い方が出来ることに重きをおいてしまったわけです。また、iTunesってなんだかんだいってパソコンとの同期が速いんです。今からだって乗り換えますよ、音質の良いiPod Touch的なものを提案してもらえるなら。Androidベースでも良いですから。



さらに、「家庭のテレビがデジタル化し、インターネットに接続することができるテレビが普及したともいえる。その上で、ソニーはどんな提案ができるのかを模索していく必要がある」って…今回紹介している本の著者、辻野晃一郎さんは10年も前からSONYの中でそのことを主張し続け、何度も何度もプロジェクトをつぶされ、失望の末に最後は退社してグーグル日本法人の社長になった人なんですよ。何をいまさらです…



さらに畳みかけるように頓珍漢な主張がなされるわけです、「ウォークマンにおけるシェア50%の獲得だ。BCNの調べでは、2010年8月の集計で、ソニーのウォークマンが47.8%のシェアを獲得。アップルのiPodの44.0%を抜き、月次ベースで初のトップシェアとなった。このときには、新製品への入れ替え前というタイミングだっただけに、手放しでは喜べない状況にあったのも事実だ。



…そうですね、しかもiPhoneを抜いた数字らしいですね。Apple陣営の販売数って…本に書いてありました。



残念なことです、早くこれはすごい!SONYならではだ、お布施して人柱になるぞ~!って商品の登場を祈ります。このまま水面下に沈没していくなんて寂しすぎますから。

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
辻野晃一郎
新潮社

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