ぶらっとJAPAN

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足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

デトロイト美術館展【大阪市立美術館】

2016-08-23 21:28:40 | アート

幸せオーラいっぱいのルノワールがお出迎え。

 

暑い日が続くと、街歩きはどうしてもにぶりがち^^;

というわけで、またしても美術館ネタで失礼します。

本日行ってきたのは『デトロイト美術館展』。

kazuさんのブログで曜日(及び今月末まで)限定で、館内写真撮影OKと知り、カメラ片手に行ってきました

全体で、テーマ毎に4つの部屋に分かれています。

まずは印象派から。

↑『白い服の道化師』は1901-2年頃の作品で、ルノワールはすでにリュウマチを患っていたそうですが、自身の不調など微塵も感じさせない輝くばかりの色彩が美しいです。

カワイイ

写真撮影OKとはいうものの、暗い照明に会期後半で人も多く、カメラを構えるのは難しい・・・。ピサロやモネなどの細かい筆遣いにはピントが合いません・・・^^;

ちなみにモネの『グラジオラス』は花壇の奥にひっそりと佇む妻・カミーユの姿が印象的な一枚でした。

つづいてポスト印象派はセザンヌがメイン。好きな画家なので観る機会も多く、個人的には目ぼしいものは見当たらず。この部屋で印象に残ったのはルドンです。

オディロン・ルドン『心に浮かぶ蝶』

 

ルドンの色彩はもともと好きなのですが、これも赤が素敵ですね 山種美術館にある速水御舟の『炎舞』を想起させる一枚でした。イメージの源泉は近いところにあるのではと思いますが、西洋と東洋の違いが見えて面白かったです。

この後、ドイツ絵画、フランス絵画と続きます。

ピカソが良かったのですが、残念ながらこちらは掲載NG。この2つの部屋では、他に気に入った絵も掲載NGばかりで、残念ながらお見せできません

ちなみに今回のお気に入りベスト3はいずれも後半2つの部屋にあったピカソ『肘掛け椅子の女性』とオスカー・ココシュカ『エルサレムの眺め』、それからジョルジュ・ルオー『道化師』です。

ピカソのことは先日別の記事で書いたので割愛します。

ドイツ絵画はあまり観たことがなかったのですが、ココシュカはクリムトに見いだされたそうで、若い頃にグスタフ・マーラーの未亡人アルマと恋愛関係になり、従軍して負傷した後、アルマと破局して精神のバランスを崩し、アルマの人形を作って行動を共にしていた、というなかなかの経歴の方。『エルサレム・・・』は牧歌的な風景とビビッドな色彩が印象的な一枚なのですが、これを描いた頃、アルマ人形は傍にいらしたようで、それを想像すると、なかなかコワい一枚でもあります^^;

そうした事情はさておき、とても良い絵でした。

そしてもう一枚がルオー。

今回、ルオーは1枚しか出ておらず、しかも小さな道化師の肖像画だけなのですが、これが良かった!

暖色をベースにした華やかな色彩と、簡潔で野太い線に、ちょっとトウがたった道化師の表情が秀逸です。彼のエネルギーと悲哀と生きざまが見えてきます。

ルオーもほとんど観たことがないので家に帰って調べてみましたが、今回の作品に似たタッチの作品は出てきませんでした。ひたすら芸術の道を極めるべく邁進したらしく、晩年には画商と裁判まで起こして自身の未完成の作品を取り返し焼却してしまったとか(以上、wikipedia情報です)。

そんな話を聞くと、『道化師』は貴重な1枚ですね。しかも、一番最後に展示されていたので、案外ご自慢の逸品かもしれません。

大阪の展覧会は9月まで続き、その後、東京に巡回するそうです。

ヨーロッパの名画を見渡せる、ツボを押さえた佳品ぞろいの展覧会でした

 

 

コメント
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