ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

二寧坂のミーハー

2017-09-19 20:57:24 | グルメ

おじゃまします。

 

開店以来気になっていた京都・二寧坂の町家スタバに行ってきました

諸事情で二寧坂滞在時間は約40分^^; 駆け足での訪問です。

行楽シーズンにはまだ早いので屈指の観光地と言えどもそれほど混雑はありません。この辺りは久しぶりの訪問で気になるところはたくさんありますが、全部すっとばしてスタバまで

お客さまの約半分が外国人観光客。

1階で注文と受け取りをして、2階にあがります。畳の部屋だけでなく椅子席もけっこうありました。和とモダンがほどよく調和したナイスな店内でしたが、残念ながらお客さんが写り込んでしまうので、あまり店内をお見せすることができません

出来上がるまでの待機中に見ていたスタバ模様の壁と和の庭。なかなかシュールです。

こちらは2階。左手に畳敷きの席があります。

窓の景色は京都ですね。

外国人観光客向け? 土足禁止案内がカワイイ

日本人にとっては田舎の祖母の家に遊びに来たような、妙に懐かしく寛げるお部屋です。

 

昔、ドイツに旅行した時にドイツ語が読めなくて何を食べていいかわからず、結局、有名ファーストフード店に入ったことがあります

とりあえず、知ってるものが食べられるなって(笑)。

不案内な土地で安心して入れるカフェは旅行者には有り難いですよね。プラス異国情緒が味わえれば言うことなし。珍しかったんでしょうか、外国人観光客の方々はほぼ100%土足禁止の和室で召し上がっていました。

ところですぐ近くの三年坂にはイノダ珈琲があるのをご存知でしょうか。日本の老舗も奮闘中。次はこちらに入ってみたいです

コメント (4)
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大阪愛が詰まった一冊『プリンセス・トヨトミ』

2017-09-16 10:34:14 | 大阪

 

タイトルと映画化時の謳い文句から、エヴァンゲリオン的な超絶SFを予想していたら、全く違いました。大阪人の心意気と青春の甘酸っぱさが味わえる爽やかな一編です。

東京から来た会計検査院の調査官3人が検査を進めていく様子に、大阪の空堀中学校に通う大輔くんの決意とそれをめぐる葛藤が平行して描かれるのですが、東京人の目を通して「大阪」が鮮やかに活写されます。「坂道を抱いた」からほり商店街に巳さん伝説の榎木大明神、何階建てかわからない不思議なビルに、もちろん、それらを見下ろす大阪城も。そこに住むのは一途で純情、時にちょっと「ええ加減」な大阪人。そうそう、大阪ってこういう街だよねと読みながら何度もうなずき、嬉しくなりました。

物語のクライマックス、「その日」のために、大阪中の男性が大阪城を目指すのですが、そこで描写される現代の大阪の風景は圧巻です。天王寺の公園に新世界、大正区のぽんぽん船に阪堺のチンチン電車、そしてあちこちで目にする「瓢箪」。大阪ワンダーランドに迷い込んだ興奮と、市井の人々が受け継いできた太閤様への愛情で胸がキュンキュンすること間違いなしです。

読み終えて行きたい場所がたくさんできました。いずれこのブログで紹介したいと思います

 

【読んだら行ってみよう!】

榎木大明神

からほり商店街

中央公会堂

【読んだら乗ってみよう!】

阪堺電車

大正区のぽんぽん船(千本松大橋)

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ブリューゲル「バベルの塔」展

2017-09-11 21:32:05 | アート

東京タワーより高くスカイツリーより低い

 

久しぶりに美術館に行ってきました

国際美術館で開催中のブリューゲル「バベルの塔」展です。

16世紀のネーデルラント(オランダ・ベルギー)絵画を中心に、目玉はもちろん『バベルの塔』です。

イタリアがテンペラやフレスコ画の時代にネーデルラントでは油絵が盛んで、その特徴は鮮やかな色彩に細密描写、そしてサイズの小ささ。これは、国王や教会などの富裕層ではなく一般市民がスポンサーだったからだそうです。

おりしもキリストや聖母などの宗教画から風景や風俗画へと発展していった頃。信仰の対象としてのアイコン的絵画から謎解きのような「寓意」、そして市民の哀歓や刺激的なゴシップを描く風俗画へと展開していく様は、そのまま人間の精神の広がりを見るようで興味深かったです。風景を描くというのは俯瞰で眺めるってことですよね。近視眼的な景色から、大きく外へ。人間を外側から眺めることによって想像力が鍛えられ、ファンタジーな世界の表出に繋がっていきます。

初来日の2点のヒエロニムス・ボスはまさに奇想天外。タイトルは『放浪者(行商人)』なのに木の枝のツボに小人が住んでいたり、後ろの方で熊が吊られていたり、もちろんそれぞれ寓意があるわけですが(たとえば熊は悪徳の象徴)、これでもかというほど詰め込まれたディテールは、真面目なのか洒落なのか、人を食った感じが面白いです。

「第2のボス」として売り出されたブリューゲルは版画の展示が主でした。浮世絵のように基本的には原画と彫師は別の人ですが、細かい描写と丸っこい体形の人間や怪物たちは妙に愛嬌があってまさにキモカワ。が、なにしろ緻密に描きこまれているので目が悪い人間にはなかなか厳しい^^; 前から横から、ためつすがめつ覗き込んでみましたが、うーん……

双眼鏡で眺めている人がいましたが、気持ち、わかります(笑)。私もじっくり観たくて帰りにポストカードを買いました。

さて、最後はいよいよバベルの塔です。この絵だけは前にテープを張って道がつくられ、「遠目から思う存分見られます」コースと、「近づけるけど立ち止まらないでね」コースに分けられていました。2-30人は並んでいたでしょうか。ほぼ全員が「立ち止まらないでね」コースです。もちろん私もこちらのコース。並んでいる間も観ることは可能で、遠目からじわじわ近づいていきます。

思ったより小さい絵なのですが、遠くからでも塔の存在感は抜群。牧歌的な風景の中に忽然と現れる要塞といった趣きで、丸い形がコロッセオを想起させるのは、ブリューゲルにイタリア留学経験があるのと無関係ではないようです。米つぶのごとく蠢く人々と、未だ建築中という現場の生々しさ。近づいてみてもその精緻な描写は揺らがず、絵に吸い込まれていきます。

聖書の世界ですが、ひとつの町として塔を作りあげていく活力はとてもリアルで人間くさい。人間って、力を合わせれば凄いことが成し遂げられるんですね。

国際美術館には何度か来ていますが、こんなに一枚の絵に皆さんが熱中しているのは初めてです。スケールとディテール、どちらも兼ね備えた魅力的な絵でした

 

久しぶりの美術館訪問は戸惑いがありつつも面白かったです。芸術の秋に向け、これから面白そうな展示をあちこちでやるので、また出かけてみたいと思います

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満つる月の如し 仏師・定朝【澤田瞳子】

2017-09-03 11:28:21 | 奈良

 

法隆寺とその近くの寺を回った時に、仏像の見方を教えてもらったことがあります。

詳しいことは忘れましたが^^; 飛鳥時代などの昔の仏像は平べったくてその後の仏像は丸い。そんな区別でした。

定朝作と唯一確定されている平等院の阿弥陀如来坐像は、本作のタイトルが示すように、『満月の如く』丸い。学校の試験にも出てきた、美術史上重要な「定朝様式」はその後唐の影響を受けない日本独自の様式として定着していきます。

現代の私たちが仏像を見るとき、その美しい造形にのみ目が行きがちですが、仏像建立のそもそもの動機は人民救済の「祈り」です。でも果たして、木で作った動かぬ仏像で本当に人々を救うことができるのか。本作ではこの根源的な問いに葛藤する人間・定朝が描かれています。

冒頭、まだ少年のあどけなさが残る定朝が、傷ついた仏像の面を直すシーンがあるのですが、はしごを軽やかに駆け上がってあっという間に新しい面を削りだす定朝の腕の冴えが鮮やかに活写されていて、まるでその場にいるように興奮しました。奈良仏教史を専門とする著者が描き出す当時の都の世相はとてもリアルです。

作中では、ある悲劇的な出来事を通して定朝はあるべき「真の仏の姿」を見出し、それが阿弥陀如来坐像のあの慈愛に満ちたお顔へと繋がっていきます。

平等院というと10円玉のイメージしかありませんが、額に汗をたらし、無心に削りだす定朝の姿を思い浮かべながら見上げれば、また違う景色が見えてくるかもしれません

【読んだら行ってみよう!】

平等院鳳凰堂(京都府)

コメント (2)
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