いざ♪
ご無沙汰しました。ちょっと気を抜くとすぐ間が空いてしまいます。この調子だとあっと言う間に年が暮れてしまいそうです^^;
さて、先日、偶然見つけた大阪中央公会堂のガイドツアーに行ってきました(要予約)
中央公会堂は展示室など自由見学エリアがあるのですが、こちらは普段は見られない3階の特別室を見学できるツアーです。
合計20人くらいでしょうか、たくさんの参加者で大盛況です。まずは展示室でパネルなどを眺めながら公会堂の成り立ちから。
ご存じの方も多いと思いますが、こちらの建物は個人の寄付で建てられたものなんですよね。北浜の株式仲買人・岩本栄之助氏が訪米の折に、大富豪が慈善事業や公共事業に私財を投じていることに感銘を受け、帰国後100万円を大阪市に寄付したんです。
展示室にある岩本氏の像。
中之島界隈をぶらつき始めて約2年。さすがにそれぐらいは存じておりましたとも。えっへん
がっ。
岩本氏はその後、第一次大戦の影響もあって株式で莫大な損失を出し、ピストル自殺をしてしまいます。
えええっ。まじっすか
それは知りませんでした。衝撃的な結末に解説を聞きながら思わず顔がひきつりまくり
39歳の若さだそうです。しかも公会堂が完成する前。実物を見てないんです。100万円も寄附したのに。一説によると、現代の価値換算で50億円とも言われてます。末代まで二度と仲買いには手を出すまじという遺言を残したとか。うううっ(T_T)
損失を出した時に周囲から「寄付した100万円のいくばくかでも返金してもらってはどうか」と勧められても、断固拒否。
「一度寄附したものを返してもらうなど大阪商人の恥」ってことらしいですが、いやしかし、命あっての物だねでは? と思ってしまうのは、小市民の野暮なのでしょうね。
前置きが長くなりました。そんな話を聞いた後、いよいよ特別室です
じゃじゃん♪
天井は日本神話『天地開闢(かいぴゃく)』
ステンドグラスの向こうにはビルが。
デザインは鳳凰。
大阪市の市章『澪つくし』の形をしています。
凸レンズで光を拡散。ビルが逆さまに映ってますね。
オリジナルを忠実に再現したカーテン。
とにかくすべての場所が粋を凝らして作られていて、天井は高いし、明るいし、会議がとってもはかどりそうです(笑)。
絵にタペストリーに大理石に扉にと観るところがたくさんあって忙しいです
扉は象嵌。
タペストリーは刺繍。
職人の町、とくに繊維業が盛んな大阪らしく、織物系に特に工夫が凝らされているように感じました。さらに足元は。
黒大理石と白大理石。
この大理石、それぞれ一つの大きな大理石に縦横に線を彫って9枚板のようにしてるんだそうです。面積が大きいと滑ってしまうので、転ばないための工夫なんだとか。さらに天然の大理石である証拠が画面左下の黒大理石。
この白い点は化石!
壁にも大理石が使われているのですが、一部フェイクなところもあって(色を塗って大理石のように見せかけている)、その見分け方は「温度」。大理石の方がフェイクな部分よりも断然冷たいのです。面白いですね。
有料ですが、解説はとても丁寧だし、帰りにお土産もいただいて(公会堂の絵のクリアファイル)、なかなか楽しいツアーでした。定期的に開催されているので、興味ある方はぜひ覗いてみてください。ランチ付のコースもあります
この他にも、大中小の集会室があって現役で活躍中。機会を見つけてぜひそちらも見学してみたいです