ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

気ままなヤマザクラ

2017-03-30 20:59:34 | 

葉っぱと花が同時です。

 

今年の桜は開花が遅いらしく、待ち構えているのになかなか見頃になりません

仕方がないので近所の桜巡り続行です。

前回は河津桜でしたが、こちらはヤマザクラ。奈良の吉野山で咲いているのがヤマザクラだそうですね。

ソメイヨシノなどの里桜が花の後に葉っぱが繁るのに対して、こちらは花と葉が同時です。

花の形はソメイヨシノと大差はないですね。

ヤマザクラは個体差が大きく開花のタイミングもそれぞれで、一斉に咲くことはないらしいです。ここもこの木一本だけが咲いていました。(というか周りには他にヤマザクラがありません。一体どこからやってきたのか。)なので、豪華絢爛たる景色を見せたあと潔く散ってしまう日本人好みの風情は見られません。その代わり、いつまでもどこかの木が咲いていて、長い期間楽しめるんだとか。

背が高いので、実は多少の望遠では花には全然寄れません 根元は谷なので近寄ることもできず

 

文字通りの高嶺の花で、甘ったるい感傷を寄せ付けない孤高のたたずまいは、自然の姿だなと思います。

ところで、帰り道に偶然みつけた伐木。うっかり目があったら、もう、どうしてもロバの長老にしか見えません。立ち去り難くて思わずパチリ。哀愁の瞳(左側)とキュートな鼻の穴がお分かりになりますでしょうか。どうも昨日のピーターラビットワールドを引きずっているようです

 

 

 

 

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秘密の楽しみ【ピーターラビット展】

2017-03-29 21:00:14 | アート

ピーターラビット

(ピーターラビット展サイトより) 

グランフロント大阪で開催中(4月2日まで)の『ピーターラビット展』に行ってきました。

ウェッジウッドのシリーズや絵本、その他のグッズでピーターを目にする機会は多いですが(かくいう私もティーカップとマグカップを所有)、今回の目玉は初版本(私家本)の全原画44枚を一挙公開という太っ腹なもの。予算の都合と「どうせ色をつけてもほとんどが茶色い毛皮なので」という理由からモノクロで出版されたんだそうです。

私家本はカラー版とは少し違った絵柄で、素朴ですがウサギや植物の特徴を的確に捉えた、生き生きとした画面になっています。

ところでピーターパパはマクレガーさんの奥さんにパイにされてしまったという衝撃の事実が発覚! ピーターは母子家庭だったんですね。ジビエ料理は当時もよく食べられていたのでしょうか、食べるものと愛でるものが同じライン上にいることに妙なリアリティを感じます。

他にもベンジャミンバニーやアヒルのジマイマ、カエルのジェレミーにイモリのアイザック・ニュートン卿など、当時の英国社会を偲ばせるユニークなキャラクターが満載。みんなが同じ世界に暮らしていて、どこかしらで繋がっているのも素敵です。

絵本はすべて手のひらサイズなのですが、愛らしい表紙を見ていると、小さなハンカチを思い出します。初めてイギリスに行った時に、イギリス人女性が袖口にハンカチを忍ばせているのをよく目撃しました。たぶん今よりもずっと慎ましさを求められていた時代、絵本という娯楽は独りでこっそりと楽しむ秘め事的な要素も強かったのではないでしょうか。

ピーターラビットの舞台である湖水地方を訪れたことがありますが、風光明媚という言葉がぴったりのとても美しい場所でした。今回、ポター自身による森や小道のスケッチも展示されていましたが、みずみずしい空気が感じられる豊かな自然には、たぶん、木のうろや茂みの影など「秘密の場所」がたくさんあって、そこにピーターたちのモデルになったいろんな動物たちが実際に暮らしていたんだと思います。そんなコたちが時折、ぴょこりと人間の世界に姿を現す。自分たちの知らないところで、彼らは一体何を考え、どんな暮らしをしているんだろう。そんなふうに想像を膨らませるのがとても楽しかったんじゃないでしょうか。丁寧で繊細な絵からはそうした動物たちへの深い愛情を感じました。 

これだけ愛らしい姿を見せられたら、何がしか連れて帰りたいと思うのが人情というもの。というわけで、ミュージアムショップは大盛況でした。こちらも端から順番に買い占めたい衝動に駆られましたがきっとまた会えるからと言い聞かせ振り切って帰ってまいりました。

 

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河津桜で予行演習

2017-03-25 20:10:40 | 

 

どうも皆さまご無沙汰しております。

最近、なかなか時間が取れずブログもアップできなくてつまらない日々を送ってます

桜の季節に挽回したいです

というわけで予行演習。近所の河津桜を撮ってみました。

ちょっと暗いのでわかりづらいですが、ソメイヨシノに比べるとだいぶピンクが濃いですね。

早咲きオオシマザクラ系とヒガンザクラ系の自然交配種と推定されているそうですが、

花弁が大きいのはオオシマゆずりでしょうか。

原木は伊豆方面の河津町田中の個人宅にあるそうです。

今年はどんな桜に出会えるのでしょうか。

今から楽しみです

 

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芸術と本物の太陽を同時に堪能【絹谷幸二天空美術館】

2017-03-17 22:23:41 | アート

「祝・飛龍不二法門」200号 2013年

(『祝・飛龍不二法門』美術館サイトより)

 

去年12月に梅田スカイビルにオープンしたばかりの『絹谷幸二 天空美術館』に行ってきました

長野五輪のポスターや東京・青山の今はなきこどもの城の壁画など、名前は知らなくても作品は知ってる! という方です。

エレベーターで27階まであがり、受付を済ませるといただいたのはチケットと3D眼鏡。↑の絵に出迎えられてまずは映像で絹谷ワールドへ突入です。極彩色の大阪城に錦の雲。3Dなんてずいぶん昔の東京ディズニーランド以来。華麗な世界に見とれていたら、正面からやってきた龍に食べられてしまいました ど迫力のワンダーランドが楽しいです。

初期から最近まで幅広い年代の作品が展示されていましたが、とにかく色が明るい。何でもありの猥雑なエネルギーは大阪の空気にぴったりですね。イタリア留学の経験があるそうですが、目もくらむような鮮やかさはその頃に得たものなのでしょうか。アフレスコという壁画の古い技法をベースに描かれているそうですが、盛り上がった絵の具や壁のざらざらした手触りが画に温かみを加えています。作品には富士山や太陽を描いたものも多く、自然のエネルギーへの憧憬に満ちています。そして、その中にも世界が抱えている暗部が見え隠れして、人間世界の汚れを憂えるのが絹谷作品の深いところです。

少年漫画的な破天荒さがあるかと思えば、静謐な抒情があったり、不動明王や風神雷神など日本古来の神様をモチーフにした作品も多く、このアンビバレントな感じはなんだろうと思っていたら、奈良県のご出身でした。子供の頃から仏像や寺に慣れ親しんでいたんですね。なるほど納得です。

通常この美術館は18時までですが、週末は20時まで開いています。おかげで日没を楽しむことができます。

 

絵のパワーと太陽のパワー。両方をいただいて、とっても元気になって帰ってきました

 

 

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千日回峰行

2017-03-16 22:34:25 | つぶやき

千日回峰行というのをご存知でしょうか。天台宗に伝わる、比叡山の峰々を縫うように巡る修験道と仏教が組み合わされた修行です。

先日、この厳しい修行を2回も満行したという酒井雄哉さんのドキュメンタリーを観る機会がありました。

こんな厳しい修行をするぐらいだから仏のような容貌をしているのかと想像していたら、意外にも頼りなげでひ弱な印象すら受ける方でした。予科練で終戦を迎えた後は職業を転々とし39歳で得度し、回峰行に入る決意をしたのは自殺した奥さんの命日だったそうです。

「もうちいっとましな人生を送ってくれば良かったかなあ」

と悔やむ酒井さんがこの厳しい修行を続ける強い意志の裏には、それ以上の苦しみと深い悲しみが横たわっていることが伺われます。

5年をかけて700日の回峰を満行した後には『堂入り』が行われます。断食、断水、断眠、断臥でひたすら真言を唱え続けるまさに命がけのこの行で、酒井さんの姿は恐ろしいほどにやつれていきました。途中から瞳孔が開きっぱなしになっていたとか。眠っていないので、交感神経が過剰に働き、興奮状態になっていたと思われます。

こんな厳しい修行を始める勇気は逆立ちしたって出ないですが、それでも過酷な日々を淡々とこなし一歩一歩進んでいく姿を見ていると、自分の人生の歩みもこうありたいという気持ちになります。すべてをそぎ落とした酒井さんの表情は究極のニュートラル。途中から、歩いているといろんなものが見えたらしいです。

昭和54年放送のドキュメンタリーなので、その後の酒井さん(満行後は大阿闍梨)の映像も紹介されていましたが、ドキュメンタリー当時とは似ても似つかないほがらかで自信に満ちた表情が印象的でした。

そもそもは山川草木の全てに仏性を見いだし礼拝をするというこの修行。未熟ではありますが、狭い家屋に閉じこもってばかりいないで、外の世界をどんどん歩いて、心と身体を鍛えたいと思います

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