緑の葉の間を覗き込んでみるとまさに花盛りの「キヅタ(木蔦)」。目立たない花で去年はこの姿を見逃していたことを思い出した。キヅタはウコギ科の常緑低木で、別名は「フユヅタ(冬蔦)」。一方ブドウ科のツタの別名はナツヅタで、こちらはこれから紅葉していく。 ♪♪ツタの絡まるチャペルで~ のツタは、紅葉するナツヅタなのか、常緑のフユヅタなのか、定かではない。
蓮生寺公園の道端に咲いていた「スミレ(菫)」。こちらは開放花で、綺麗な花弁や甘い蜜で虫を呼び、受粉をサポートしてもらっている。この開放花の環境は、明るい林の中で水分も養分もたっぷり。ところが前述の閉鎖花の環境は、アスファルト道路のわずかな隙間。どうやらスミレは、劣悪な環境になると着実に子孫を増やすために閉鎖花の形態を選択するらしい。
早春に目を楽しませてくれる「スミレ(菫)」だが、花は春だけでなく一年中咲いている。と言っても色の綺麗な開放花ではなく、写真のような閉鎖花。閉鎖花は開放花よりもはるかに結実率が高く、きちんと子孫を残す役割を果たしている。ところが閉鎖花ばかりだと遺伝的な形質が均一になるため、一方で開放花を咲かせることで、別の種類と交配して遺伝的な強さを求めている。この閉鎖花のすぐ横には見事に結実したスミレの実があった。