富士山ビュー・1~輪舞橋

 鈴木英治の剣劇小説 “怨鬼の剣” のなかで、江戸っ子の気持ちとして “富士山を見ると元気が出る” というくだりがある。それは、現代にも通じていることで、関東人は小さい頃から富士山が生活の一部になっていた。昔は周りの建物も低く、どこからでも見つけられたが、大人になってからも富士山を探すクセは染み付いたまま。都心の会社付近でのビューポイントはすでにわかっているが、初めての場所で富士山が見えるとほっとする。新幹線で移動する時は山側に座席を取りいつでも富士山を眺められる体制をとる。新横浜を過ぎて、富士山が見え始めてから、静岡を過ぎて見えなくなるまで、居眠りもせず必ず富士山を追う。
 引っ越してきた多摩ニュータウンは、西方に丹沢山系が迫ってきていて、富士山は見えないだろうと、半ばあきらめていた。ところがウォーキングをするうちに、あちこちで富士山が見えるポイントを見つけた。冬のある日、大栗川沿いを歩いているときに、前方にうっすらと山の形が見えたのが初め。『多摩ニュータウンからでも見えるのだなあ。』 と感激したが、実はすぐ近くにある公園の名前が富士見台公園・・・・。『気づくのが遅い!』 と猛省。南大沢駅近くの輪舞橋や小山内裏公園でも見ることができた。都心より40キロは近づくのでかなり大きく見えるが、構図はもう一つ。希望としては、もう少し中腹まで見たいところだが、こればかりは無理な相談。
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