犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

玉ねぎ男

2019-08-29 23:17:31 | 韓国雑学
 韓国語で、ネギのことをパといいます。ネギを使ったジョン(煎、お好み焼き)、パジョンのパです。

 パは、辞書を引いても漢字が出てこないので、漢字起源ではなく、固有語(日本語の大和言葉のように、漢字が伝来する前からあった言葉)のようです。ネギという野菜も、朝鮮半島に古くからあったのでしょう。

 これに対し、玉ねぎは100年くらい前に韓国に持ち込まれたようで、パの前にヤン(洋)をつけて、「ヤンパ」といいます。

 同様に、白菜はペチュ、あとからやってきたキャベツは、ヤンベチュ(洋白菜)と呼びます。

 日本で、梨に洋をつけて、洋梨というのと同じですね(なお、韓国で梨はペ、洋梨はヤンペではなく、ソヤン(西洋)ペだそうです)。

 ところで、今、ヤンパのあとにナム(男)をつけたヤンパナムという言葉が、韓国の新聞を賑わしています。

 文在寅政権で、次期法務部長官(法務大臣)候補の、曺国(チョ・グク)氏のことです。

 彼は、大臣候補になるや否や、野党からあら捜しをされて、たくさんの「疑惑」がでてきた。それが、剥いても剥いても出てくる玉ねぎのようだ、ということで、ヤンパナム(玉ねぎ男)というあだ名がついてしまったのですね。

 疑惑というのは、息子の兵役逃れ、妻の資産隠し、家族ぐるみの不透明な資産ファンド運営、娘の大学不正入学、奨学金不正受給、表彰状偽造……

 朴槿恵大統領が失脚するきかっけになった、崔順実とそっくりの様相を呈してきています。崔順実は、「秘線実勢」という、小難しいあだ名がついていましたが、それに比べて「玉ねぎ男」は、ユーモラスですね。
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