今回の食生活は以下の通り。
初日夜
ホテルの隣のオープンスペースのタイ式海鮮料理屋で、空芯菜の炒めもの、プーパッポンカリー(蟹のカレー炒め)、牡蠣と卵の炒めもの、トムヤムクン、鱸(すずき)の蒸し物、カオパッ(タイ式焼き飯)
二日目昼
ショッピングセンター内のフードコートで、ゲーンキャオワーン(グリーンカレー)と挽き肉と名前のわからない野菜の激辛炒め添え。
二日目夜
タイスキ(チェーン店のコカ)
大鍋の中にしきりがあって、二種類の出汁の中でさまざまなものをしゃぶしゃぶ風に煮て食べる。しきりが甘いので、まもなく二つの出汁は渾然一体となる。肉や魚や野菜やその他の具材をどんどん煮るので、出汁はどろどろになり、なんの味なのかよくわからなくなる。
三日目昼
フードコートで、カオマンカイ(鶏ガラスープで炊いたタイ米の上に蒸し鶏を並べ、たれをかけて食べる料理)
三日目夜
タイ式中華料理屋で、餃子、小籠包、鴨料理、トムヤムクン、豆苗炒め、甘ずっぱ辛い魚料理、チャーハン
四日目昼
フードコートで、タケノコ炒めと豚の内臓炒めの定食
四日目夜
スワンナブーム空港免税店の一角にあるタイ料理屋で、パッタイ(タイ風焼きそば)
最終日(四日目)の夜は、東京に帰るメンバーのフライトの時間が22時半だったため、会社近くで簡単に食べようと言っていたのですが、夕方、激しいスコールが来た。
「これは渋滞するね」
「空港までふつうなら45分だけど、どれだけかかるか読めないね」
「ひどいときは2時間以上かかるからね」
「じゃ、すぐに空港に向かって、空港で食べよう」
ということになりました。
実際、雨の後の道は大渋滞。空港まで1時間半かかりました。それでも20時前に着いたので、食事時間は十分。免税店の中には、お寿司屋さんとかハンバーガーの店が多かったのですが、一つだけタイ料理の店がありました。市内で食べるよりずいぶん割高でしたが、味はまあまあ。
今回の出張での食生活は、タイ料理の定番が多く、珍しい食材や料理には出会いませんでした。
ただ、三日目の昼のフードコートで食べたときのこと。私はタイ語が少しできるで自分で注文しますが、ほかのメンバーはバイリンガルのタイ人の後について、通訳してもらいながら注文します。ところが、今回がタイ二回目というメンバーが、勇気をもって単身、ボディランゲージでラーメンを注文。
席について、彼の器を覗くと、スープが赤紫っぽい。
「それ、なんのスープ」
「さあ」
「もしかして血じゃない?」
「えっ? 血?」
タイ人に見てもらうと、やはり豚の血でした。
「そういえば、なんか赤い液体を入れてたなあ。あれ、血だったのか」
別に気持ち悪がることもなく、ふつうに啜っています。タイでも韓国でも、血は一般的な食材ですが、通常は熱を加え、凝固させて、豆腐状になったものを炒めものやスープに使う。液体のまま、スープに入れるのは珍しい。
「どんな味?」
「そうですね。へんな臭みはないし、おいしいですよ。でもちょっと味が薄いかな」
「味付けした?」
「えっ?」
「麺は、自分で味をつけるんだよ。店の前にあったでしょう。ナンプラーとか酢とか」
「あ、そうなんですか。じゃちょっと入れてこようかな」
「もう遅いよ。ほとんど食べ終わってるじゃない」
「そうですね」
まあ、これも外国における楽しいハプニングです。
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