性売買（ソンメメ＝売買春）

　韓国語で売春（買春）のことを「性売買」と言います。

　売春は韓国でも当然不法なのですが，長らく「見て見ぬふり」をされていました。
　ところが２００４年９月に「性売買特別法」が施行され，取り締まりが強化されました。従来は「管理売春者」の罰則規定しかなかったものを，客も処罰できるように法改正したのです。それによって，摘発は大きく増えたそうです（→記事①）。

　ところが敵もさるもの，あの手この手で取り締まりを逃れようとします（→記事②，③）

　それに対して女性部は，昨年末，こんなキャンペーンをした。（→記事④）

「女性部」というのは官庁の一つ，「部」は日本の省にあたります。正式には「女性家族部」かな。女性の権利を伸長させることを目的にしているんでしょうか。
　記事によれば，韓国では年末，忘年会のあとに買春行為をする男性が多い（！）ので、この悪習をなくすために，なんと「買春をしないと誓う勤労者に賞金を支給する」んだそうです。

「韓国は2004年から売買春防止特別法を施行しているが、売買春の慣行が社会全般に広がっている。売買春に従事している人は100万人を超える」

　このニュースがＣＮＮやＢＢＣなど，海外メディアによって報道されるや，韓国のネチズン（インターネット上の市民）は
「国際的な恥さらし」
「外国人から韓国男性は変態だと思われる」
「女性部は韓国人男性のプライドをどう補償するのか」
など怒りの書き込みをして，女性部を強く批判したそうな。

　このキャンペーンは「男権侵害だ」という記事（→記事⑤）も現れました。

「男性全体を潜在的犯罪者とみなしている点は、人権ならぬ「男権」侵害でもある。」

　うーん，よくわからない。名誉棄損とは言えるかもしれないけれど，「男権侵害」とは。

　いずれにしても「性売買」が韓国社会にいかに深く根を張っているかを窺わせる記事です。