同病相憐れむ

写真：李在明・ともに民主党代表と、尹美香・無所属議員

　少し前に、正義連の元代表だった尹美香（ユン・ミヒャン）議員に、信じられないほど軽い判決が出たことをお伝えしました。

大山鳴動して鼠一匹

　それについて、野党ともに民主党の李在明（イ・ジェミョン）代表が、尹美香に同情する内容をフェイスブックで発信したそうです。

2023年2月12日東亜日報（リンク、韓国語）
李在明、「尹美香がどんなに悔しいだろう」…与党、「草と緑は同じ色だ」

「人生を全否定され、悪魔にされた彼女はどんなに悔しいだろう」

　民主党の李在明（イ・ジェミョン）代表は、慰安婦支援団体、正義記憶連帯の後援金を横領して係争中の尹美香（ユン・ミヒャン）議員が1審で1500万ウォンの罰金刑を宣告されたことについて、11日、フェイスブックに「検察とフェイクニュースを疑う」と書いた。さらに、「すみません。間違っていました。気を引き締めます」と付け加えた。これは、デジャンドンとウィレ新都市事業特恵疑惑で、2度目の取り調べを受けた翌日のことだ。疑惑のほとんどに無罪判決が出た尹議員の裁判結果を通じて、自分に対する検察の捜査も不当だと主張していると解釈されている。

　これに対して与党、国民の力は「「尹美香へのねぎらい」の文だが、主語の尹美香をすべて李在明と読み替えても、まったく違和感がない」と批判した。キム・ギヒョン議員はフェイスブックで「李代表が罪について荒唐無稽で危険な論理で尹美香をかばった。「草と緑は同じ色だ」という言葉がぴったりだ」と書いた。パク・ジョンハ首席報道官も論評で「検察を非難するために「国民の憎まれっ子」である尹議員を利用するのは、あんまりだ」、「浅はかな計算に関しては誰よりも素早い李代表」と語った。（以下略）

　李代表が「すみません。間違っていました。気を引き締めます」と尹美香に謝罪したのは、共に民主党が尹議員を除名したことに対するものでしょう。ただ、除名の理由は、「横領」ではなく、別の不動産投機疑惑だったので、つじつまが合っていないわけですが。

　「草と緑は同じ色」（초록은 동색）というのは、「名は違うが結局同類である」という韓国語の慣用句で、「類は友を呼ぶ」、「同じ穴のむじな」というような意味です。

　私は、「同病相憐れむ」という故事成語を思い出しました。

　その後、韓国の検察は、李在明代表の城南市長時代の都市開発事業を巡る背任容疑で、李在明代表の逮捕状を請求（2月16日）。しかし、李在明は国会議員として「不逮捕特権」を持っており、逮捕するには国会の同意が必要。共に民主党は国会で169議席（定数300）を占め、李氏が逮捕される可能性は低いそうです。

　まあ、尹美香議員は、控訴審、上告審で重い刑罰が下されるでしょうし、李在明代表も早晩逮捕されるでしょう。検察の最終的な標的は、文在寅元大統領です。