文芸評論家,川村湊の本に『妓生-もの言う花の文化誌』(作品社,2001年)というのがあります。
その本によると「儒教文化が支配していて,歌舞芸能,女性,遊蕩などに関することがらは,知識人たるもの口にすることもけがらわしいことで,ましてや文章として記録に残すことなど忌避された」ために,現在まで朝鮮,韓国で妓生について書かれた歴史の書物は,李能和『朝鮮解語花史』(1927,東洋書林),ただ一冊だけで,それ以後のものは,ほとんどがこの本からの孫引きだそうです。
川村氏は,その他,日帝時代に発行された「妓生名鑑」のようなカタログ,絵はがき,雑誌など,独自のコレクションも惜しみなく紹介しながら,妓生の歴史を新羅時代から説き起こし,日帝期,さらには現代のキーセンたちに至るまで詳述しています。
妓生のすべてがわかる「妓生百科」ともいうべき労作です。
中身はこのブログでおいおい紹介していくつもりです。
この本はその後,2002年に韓国でも翻訳されました。
『もの言う花-妓生』(ソウル,ソダム出版)
訳者は柳在順(ユ・ジェスン)。彼女は女性ルポライターで10年以上日本に滞在しているようです。田麗玉(昔はKBSのキャスター,今は国会議員)のベストセラー『日本はない/イルボヌンオプタ』は,盗作だと騒いで自ら『下品な日本人』を著しましたが,こっちはあまり売れなかった。
韓国文壇の大御所,李文烈が序文を寄せているなど,文芸評論家川村の韓国人脈の厚さを思わせます。
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9割がた言葉の意味が解りませんが、
なにしろすごい気迫で演じられている
ファンジニで、目が釘付けです。
たいへんな才女だったようですね。
影響で取り寄せて読んでいるところなので、
おいおいの記事、楽しみにしています。^^