妻が日本語教室で知り合ったフランス人を自宅に招きました。
その日のために、数日間、錆び付いたフランス語の復習をしました。
駅に迎えにいったとき、車内で聞いてみました。
「エスク・ヴゥ・ビュベ・ドゥラルコール?(お酒は飲みますか?)」
「プレスク・ジャメ(ほとんど飲みません)」
「オー・デゾレー!(それは残念!)」
晩餐のためにスパークリングワインや赤ワインを用意しておいたのですが…。
フランスで蕎麦茶を販売しているというので、蕎麦が好きだろうと思い、蕎麦の実を使った料理や、妻の実家の島根の出雲蕎麦などもメニューに入れていました。
「昆虫食を研究しているんですか?」
「ええ、長野に行ったときに、蝗(いなご)の佃煮を食べて、とてもおいしいと思ったんです」
「ぼくも昆虫はいろいろ食べました」
韓国のポンテギ、タイのバッタやタガメ、赤蟻の卵などのことを話題に出しましたが、意外にもあまりよく知らないらしい。
「これ、うちで作っているんです」
差し出されたのは、小さな包み。開けてみると…。干からびた昆虫が現れました。
「コオロギですね」
「そう、コオロギ」
私はさっそく1匹を口にほうりこみました。すると青年は、ぎょっとした顔つきに。
「そのまま食べても味はないでしょう?」
「確かに。本当はどうやって食べるんですか」
「ケーキなんかにトッピングするんです」
「ケーキに…」
袋を見ると、カップケーキのようなものにトッピングされたイラストが描かれています。なんか蝿がたかっているように見えましたが。
(でも、これ、売れるのかなあ)
会話の相手は、主に娘。昨年の語学研修の成果を発揮しています。
お客様は飲まないのに、私は勝手にワインを飲んでいたので、だんだん酩酊状態に。普通なら饒舌になるところですが、フランス語が思うように出てこなくて、ミャンマー語やインドネシア語が混じったりしてしまう。
「お父さん、ちょっと飲み過ぎなんじゃない」
娘にたしなめられました。
娘のために、フランス語の個人教授をお願いしようと思っていましたが、青年は「自分のほうが日本語の勉強になっていい」といって、お金をもらうことは固辞。
これからもときどきお茶に招待するということになったようです。
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