4月に入籍し、すでに岩手県で新婚生活を送っている長女が、7月末に結婚式を挙げました。
8月末にカナダへ新婚旅行、9月には東京で披露パーティーと、結婚関連行事を五月雨で行うのは、最近の流行りなのでしょうか。
私が結婚したときは、結婚式、披露宴、新婚旅行が終わって、同居と、隙間のないスケジュールでしたが。
娘の結婚式は神式でした。場所は盛岡八幡宮。場所が場所なので、友人は呼ばずに家族だけで執り行いました。
私は木曜日の夜にまず大阪から埼玉へ移動。金曜日は会社を休み、朝五時に妻と四女とともに車で出発。妻はその数日前にぎっくり腰をおこして、「運転できないかもしれない」などと言う。四女は事実上のペーパードライバーなので、もっぱら私が運転します。途中、東北自動車道が事故渋滞。2時間以上のろのろ運転でした。事故現場を通り掛かると、大きなトラックがまっ黒こげで横転していました。大事故だったようです。
姉より一足早く結婚し、日立市に住む次女は上野に出てそこから新幹線。
大阪に住む三女は、伊丹から花巻まで飛行機。の予定だったのですが…。
木曜日、配送伝票紛失事件が勃発し、夜中まで探したが見つからない。
「お姉ちゃんの結婚式、行けないかもしれない」
というラインが入ったのは木曜日の夜でした。
「そんなにおおごとなの?」
「だって、伝票には個人情報が入っているでしょう。失くしたら始末書だよ」
店長なので、処理をほかの人に任せるわけにはいかない。金曜日、朝早くに出勤して入金伝票とくまなく照合したところ、大口の注文を別処理していたために配送伝票を切っていなかったことが判明。しかし、そのときすでに予約した飛行機は伊丹を出発していました。
「新幹線を乗り継げば間に合うよ。結婚式は明日だから、今日中に岩手にはいればいい」
三女と岩手の温泉旅館で合流したのは、夜8時でした。
この日は長女も同じ宿に宿泊。家族6人が同じホテルに泊まるというのは、もしかしたら韓国駐在時の海外旅行以来かもしれません。
翌日は、女たちが着付けや髪のセットに忙しくしている間、私はのんびり露天風呂に浸かっていました。
そして、盛岡八幡宮。
これがすばらしく立派な神社です。なんでも、岩手最大の神社で、初詣のときはごったがえすんだとか。
式も大がかりで、神主さんと別の神官(?)に二人の巫女(?)がいて、雅楽(?)を演奏したり、踊りのような所作をしたり。たいへん興味深く見守りました。私も神式でしたが、結婚式場の中の簡易なもので、それとは大違い。
式が終わると撮影タイム。雨の予報でしたが、幸い曇りで、屋外での写真も撮ることができました。
午後、盛岡の居酒屋でちょっとした宴が持たれました。
新郎新婦がときどき行く居酒屋ということで、こぢんまりした店を貸し切りにしていました。
私たちは6人だけでしたが、新郎側は両親、祖父母、兄弟に加え、数人の叔父叔母が来ていたので、総勢は20人ぐらい。お酒好きの方もいるようでした。
メニューに珍しい日本酒が並んでいました。
「この、「タクシードライバー」っていうのください」
しばらくすると店のご主人がやってきて、
「もうしわけありません。これ、実は不祥事が起きて回収になっちゃって」
「不祥事?」
「なんか、デザイナーが作ったお酒だっていうことで、一時は人気があったんですが、製造許可をとっていなかったことがわかったらしいんです」
「密造酒ですか…」
宴もたけなわの中、ご主人が大きな真っ白い物体を運んできました。
(ケーキカットか?)
と思ったら、新郎新婦が手にしたのナイフならぬ金槌。
鯛を丸ごと塩で固め、蒸し焼きにした料理なんだそうで、まわりの分厚い塩を金槌で叩き割るんだそうです。岩手の郷土料理かと思ったら、店のご主人の創作らしい。しゃれた演出です。
最後に一言とマイクを渡されましたが、酩酊していたため、何をしゃべったか覚えていません。
二時間ほどの宴会が終わり、そのあと小岩井農場で牛乳を飲んだり、最近評判のジェラートの店に行ったり。
三女を花巻空港に送ってから東北自動車道に乗ったのが午後5時頃。帰りは次女が、翌日東京で友人の結婚式があるということで、車に同乗。私は酔いが覚めていないので、もっぱら娘が運転してくれて、埼玉に帰り着いたのは夜中の2時でした。
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尖ったコンセプトやラベルは日本酒のような業界では嫌われやすいとは思います。が、それ以前から、桶買いしている酒を自家醸造のように見せかけたり、震災被害を装うようなファンドを立ち上げたり、色々荒っぽい話がある会社です。日本酒作りに山師でない強い新風は、なかなか出てきません。
鯛の塩釜は昔から祝いの定番で、「朝鮮出兵の際、豊臣秀吉が玄界灘の鯛を母親に届けるため塩で包み…」という怪しい発祥もあるので、相応に古い調理法なのだとは思います。
塩釜は秀吉まで遡る伝統料理だったのですね。
勉強になりました。