台湾便り～初めてのシャネル

　久しぶりの台湾出張です。

　ブログ記事で確認すると、前回は２００８年６月ですから、１０年以上経っています。

　フライトは、羽田空港から台北松山空港のJAL便。日曜日夕方発で、この日は移動だけ。スーツではなく、カジュアルな服装でした。

　空港に着いて、ネクタイを忘れたことに気づきました。午前中に荷造りをしていたとき、あとでトランクに入れようとして、ハンガーにかけていたのを入れ忘れたのです。

（免税店で買えばいいや）

　以前、冬の韓国出張で、コートを着てくるのを忘れ、空港のユニクロでウルトラライトダウンを買ったことがあります。

　まず、ユニクロを覗いてみました。

「うちは、ネクタイは置いてないんです」

（そういえば、ユニクロでネクタイ、見たことがないなあ）

　他の免税店も見てみましたが、見当たらない。

　案内所で聞いてみました。

「ネクタイを置いている店はどこですか。安いやつがいいんですけど」

「ネクタイは…、ブランドのお店にしかないですね」

「ブランド…」

　エルメス、グッチ、カルチェ…

　値札を見ると、２７０００、２５０００…。いちばん安くても２万円はします。

　生まれてこの方、ネクタイに１万円以上払ったことがない私にとっては高根の花。タイ出張が多かったときは、スワンナプーム空港の免税店で、ジムトンプソンと言うタイのブランドを、６０００円ぐらいで買っていました。

（仕方がない）

　最後に寄ったシャネルで、いちばん安い、２万円のものを、清水の舞台から飛び降りるつもりで買いました。

　搭乗ゲートで、大阪の伊丹から来た同僚に落ちあい、顛末を話すと、

「僕、５本持ってきたから、貸してあげたのに…」

と言われました。私は３泊４日ですが、彼は５泊６日の予定。

（その手があったのか！）

　後の祭りです。

　夜９時頃に空港到着。

　ホテルにチェックインしたのは１０時を過ぎていました。

「軽く一杯やりましょうか」

　同僚は、年に５回以上台湾に来ていて、ホテル周辺の店には詳しい。

「庶民的はところがいいね」

「この時間だと、そういうところしかないでしょう」

　ホテルから徒歩５分ぐらいの、中華居酒屋に入りました。八角の香りと喧噪の中、お店のおばさんが、威勢よく声をかけてきます。

「おお、日本人ね！　ウェルカムジャパニーズ！」

　機内食を食べていたので、たくさんは食べられない。でも、生ビールに、牡蛎の中華炒め、臭豆腐の煮込み、空心菜その他、計５品ぐらい頼みました。

　会計は、割り勘で一人１５００円ぐらいで大満足。

　１２時ごろにホテルに帰りました。