北倉洞のとあるバーに,片言の日本語を話すアガシがいました。年のわりに若くみえますが,世間擦れしていないし,水商売には似つかわしくない,ふつうの感じの女性です。
「会社勤めすればいいのに」
「だめなのよ,私,学歴がないから。普通の会社じゃ雇ってもらえないわ」
最初は言葉を濁していましたが,聞くとどうも中学しか出ていないらしい。いまでこそ,韓国の大学進学率は80%と,世界に冠たる高学歴国家ですが,1980年ごろは30%ぐらい。高校進学率も今は「全入」状態ですが,当時は80%程度だった。
「中学出て,すぐ工場で働いたの。フィリップスの工場でね,外資系だから給料はよかったわ。私が働いて,弟と二人の妹の学費を出したの。私は中卒だけど,弟は高校に行けたし,妹たちは大学に行ったわ」
(感心だなあ。しかし親は何をしていたんだ)
「アッパ(お父さん)はぐうたらでね,いろんな職を転々として。見栄っ張りだから,ちょっとお金が入ると近所の人たちを呼んで大盤振る舞いしちゃうのよ」
(そういうタイプ,多いんだよなあ)
その後一家に悲劇が訪れる。高校生の一人息子がバイクで事故死してしまったのだ。両親は唯一の希望を失って悲嘆に暮れ,父親は酒浸り。今は,お母さんが中心になってキサシクタン(技士食堂=深夜のタクシー運転手などを相手にする食堂)をやっているそうだ。
水商売の最初は梨泰院の日本人向けバー。そのときに日本語を少し覚えた。そこがつぶれてやってきたのが,件の北倉洞のバー。
やや内気で,ちょっとした人間関係のもつれを深刻に受け止めてしまうタイプらしく,同じ店に長続きしない。北倉洞の別のカラオケから,光化門のバー,東橋洞のカラオケ,光化門のカフェ。
このとき,二度目に働いていた北倉洞の店から連絡があった。オーナーの女主人が引退して店を甥に譲ろうとしたのだが,甥はお金が足りない。で,このアガシに「共同経営」しようともちかけたんですね。
「いつか自分の店をもちたい」と思っていたアガシ,突然のうまい話に舞い上がってしまい,虎の子の貯金を全額出資。
しかし,うまくいくはずありません。
そもそも元のオーナーは経営不振で店を手放そうとしたんだし。客が少なく,甥のほうは新婚で子どもも生まれて金が要る。利益は等分の約束だったのに,なんだかんだ言って少なめにしかもらえない。甥はバーテンダーとして立っているだけで,客の相手はアガシのほうに押しつける。売上によっては,固定給で働いているアルバイトの給料を下回ることも。
そんなこんなで,アガシは店を辞める,出資金を返して,と言ったものの共同経営者の甥ほうは,
「そんな急に言われても準備できない」
結局,分割で返してもらうことにしたようですが,それもずるずると先延ばしにされています。はたで見ていても気の毒です。
「やっぱり,水商売は合わないんじゃない。」
「本当は結婚したいんだけど,歳も歳だし,水商売あがりじゃ相手もいないわ」
今いるのは,明洞のバー。
人生いろいろの鄭ママがオープンし,その後代替わりしたお店です。今のママは建大入口の焼肉屋で大忙し。いずれ,この店を譲ってもらえればいいね。
「会社勤めすればいいのに」
「だめなのよ,私,学歴がないから。普通の会社じゃ雇ってもらえないわ」
最初は言葉を濁していましたが,聞くとどうも中学しか出ていないらしい。いまでこそ,韓国の大学進学率は80%と,世界に冠たる高学歴国家ですが,1980年ごろは30%ぐらい。高校進学率も今は「全入」状態ですが,当時は80%程度だった。
「中学出て,すぐ工場で働いたの。フィリップスの工場でね,外資系だから給料はよかったわ。私が働いて,弟と二人の妹の学費を出したの。私は中卒だけど,弟は高校に行けたし,妹たちは大学に行ったわ」
(感心だなあ。しかし親は何をしていたんだ)
「アッパ(お父さん)はぐうたらでね,いろんな職を転々として。見栄っ張りだから,ちょっとお金が入ると近所の人たちを呼んで大盤振る舞いしちゃうのよ」
(そういうタイプ,多いんだよなあ)
その後一家に悲劇が訪れる。高校生の一人息子がバイクで事故死してしまったのだ。両親は唯一の希望を失って悲嘆に暮れ,父親は酒浸り。今は,お母さんが中心になってキサシクタン(技士食堂=深夜のタクシー運転手などを相手にする食堂)をやっているそうだ。
水商売の最初は梨泰院の日本人向けバー。そのときに日本語を少し覚えた。そこがつぶれてやってきたのが,件の北倉洞のバー。
やや内気で,ちょっとした人間関係のもつれを深刻に受け止めてしまうタイプらしく,同じ店に長続きしない。北倉洞の別のカラオケから,光化門のバー,東橋洞のカラオケ,光化門のカフェ。
このとき,二度目に働いていた北倉洞の店から連絡があった。オーナーの女主人が引退して店を甥に譲ろうとしたのだが,甥はお金が足りない。で,このアガシに「共同経営」しようともちかけたんですね。
「いつか自分の店をもちたい」と思っていたアガシ,突然のうまい話に舞い上がってしまい,虎の子の貯金を全額出資。
しかし,うまくいくはずありません。
そもそも元のオーナーは経営不振で店を手放そうとしたんだし。客が少なく,甥のほうは新婚で子どもも生まれて金が要る。利益は等分の約束だったのに,なんだかんだ言って少なめにしかもらえない。甥はバーテンダーとして立っているだけで,客の相手はアガシのほうに押しつける。売上によっては,固定給で働いているアルバイトの給料を下回ることも。
そんなこんなで,アガシは店を辞める,出資金を返して,と言ったものの共同経営者の甥ほうは,
「そんな急に言われても準備できない」
結局,分割で返してもらうことにしたようですが,それもずるずると先延ばしにされています。はたで見ていても気の毒です。
「やっぱり,水商売は合わないんじゃない。」
「本当は結婚したいんだけど,歳も歳だし,水商売あがりじゃ相手もいないわ」
今いるのは,明洞のバー。
人生いろいろの鄭ママがオープンし,その後代替わりしたお店です。今のママは建大入口の焼肉屋で大忙し。いずれ,この店を譲ってもらえればいいね。
高いから。
フィリピン芸能人規制の巻き添えか?
明日から帰国休暇です。
偽造旅券と偽装結婚の話は,複数のアガシから聞いたことがあります。
>アッパ(お父さん)はぐうたらでね,いろんな職を転々として。見栄っ張りだから,ちょっとお金が入ると近所の人たちを呼んで大盤振る舞いしちゃうのよ」
韓国人気質ですね。つける薬はありません。
今は、どうか知りませんが・出生率がアジアでも最低なのは、この女性の社会進出の壁が、最大の原因だと思います。幼稚園辺りから熾烈な受験勉強、相当お金も掛かる・・それで将来が約束されているならともかく・就職浪人は、かなり多いと聞いています。北には、心理的・軍事的脅威が伴う元同胞国家が常に厳然と存在する。逃げ場は海です。
ある程度、余裕ある人は、カナダやアメリカを目指すでしょうけど・・・それ以外は、ブローカに金を握らせてでも日本等、アジア・中近東・ヨーロッパ等で稼ぐ事を考えるでしょう。
韓国ドラマのパターンは・・権力者乃至大金持ちに認められて出世するか・・何か特別の能力を生かして成功しお金持ちになる・・・そのきっかけが男女の出会い・これは、正直で切実な願いかもしれませんが・・・。その中間が欲しいがないのが寂しいです。平凡だとドラマは成立しませんが(笑)。みんなドラマの世界に憧れ、浸っている・考え過ぎかも知れませんが・・韓国ドラマの根底は、束縛の多い現実生活からの逃避願望が色濃く出ていると感じました。
金持ちにならなくても、有名にならなくても・・平凡でもいいのに・。このアガシは、ご自分の考えを大きく変えていくしか道が拓けないです。
また、韓国政府は、真剣に女性の働く場を、政策的にも法的に保護していかないと、ますます、国外脱出組への歯止めが掛からなくなるでしょう。ノムヒョンは、最後に何か、よい仕事をしてはやく退陣して欲しいです。
母親は博打にハマって、家の金を全部すってしまう。
仕方がなく、娘は進学を諦めて就職、そして夜の世界へ。
人生いろいろと言いながら、何かあるパターンがあるような。