日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

千葉マスターズと房総小旅行(2)

2012-07-30 23:04:23 | マスターズ陸上(オス)

第2跳躍のスタートに立ったときも風は追っていました。

第一マークまでは、一回目より50㎝遠くなっています。

うまくいけば7歩目が第一マークにあたるはずですが・・・

とっとと。少し足りません。8歩目を大きめにとって、

さらに第二マークに向かうと、なんとか足があいました。

残りは12m40㎝、マークを気にしすぎてスピードは乗りませんが、

小刻みのリズムはできてきました。

残り6歩も、ややモモ上げ気味に走って板にジャストミート。

あ、またここで記憶がとぎれます。

腕を上げようとしていたのに、引き揚げ足を大きく振ろうと思ったのに。

空中で反って足を投げ出すつもりだったのに。

何もできずに地面は迫ります。

膝は曲がったまま中腰で着地、尻餅は免れましたが、滑り込むようなかっこよさはありません。

5m71㎝。ずいぶん伸びました。

一回目より、助走は向上しました。

ほかはバラバラでも、助走が良くなり踏み切りもジャストなら簡単に20㎝記録が伸びるのが

幅跳びです。

5m70㎝越えは2年ぶり、ちょっと気分はHAPPYです。

 

さあ、このあたりですぐ横のホームストレートを走る100mは、7組目に入っています。

私の100mは11組、急いでスパイクを履き替え、100のスタート地点に向かいます。

最終コールにも滑り込みセーフ。

すぐにスタートの順番が来たので、どきどきする暇もありません。

同走は4人、見ただけで走り慣れている方々です。手足がすっと伸びています。

位置についての声、ブロックに足をかけます。

ヨーイ、あれ?3コースの方がすっ飛んでいきました。

フライングです。本当にぎりぎりを狙ったようで、私は全く反応できませんでした。

これは手強い、と思った2回目のスタート、先ほどのフライングは伊達ではありませんでした。

臆せずすっとび、私tが体を起こす前に遙か前に行かれてしまいます。

でも、私には焦りすらありません。

どうやら幅跳びのジャストミートの踏み切りが、大腿部、ハムストリングの力を奪ったようです。

なかなか前へ押し出せません。それほど前を行く人たちから離れる感じは無いのですが、

とにかく最初の引き離しに負けてしまっては、勝ち目がありません。

一位12秒22,二位12秒53,私は三位で12秒63.向かい風0.7メートルでした。

 

走力不足に苦笑いしつつ、すぐに幅跳びのピットに戻り、3回目の跳躍へ。

不思議に股関節の張りがなくなり、動きがスムースになっています。

息はあがっていますが、気持ちよい助走ができそうです。

その感覚は間違いではありませんでした。

足は今回も合わせる努力をしつつ、踏み切り板の中央を踏み、ふわりと体があがります。

こんな時に腹筋を引き絞り、足を前へ投げ出せればいいのですが、

どうしても下へ落ちていきます。

雲から落ちる孫悟空のように着地、足が突っ張り棒のようになり、体が前へ転がりました。

記録は・・・5m74㎝。さらに伸びて、自然に微笑みが漏れ出します。

OK、マスターズ復帰戦は練習の間違いがなかったことを証明してくれました。

 

さらに4回目の跳躍を終えると、もう11時近く。次の年長者の幅跳びが10時30分開始の予定なのを大幅に回っています。

少し、汗、ではなく焦り。

予定では10時30分に競技が終わり、11時30分までに記録証をもらい、内房線に乗って

浜金谷へ向かうはずでした。

しかし競技時間がおして、記録証は100mのものだけ受け取り、幅跳びの賞状は諦めることにしました。

千葉を満喫するためにはやむを得ません。

と思い切れるのも、結果が出たからなのでしょうが。

 

 

陸上競技から旅気分に大転換!駅弁は「潮干狩り弁当」、ショウガ煮のアサリと、甘露煮の蛤がたっぷり。

レンコンのはさみ揚げも入っていて、千葉気分が盛り上がります。

 

車窓に緑と海が見え、千葉から1時間の普通電車の旅を終えたのは浜金谷。

陽は変わらず照りつけます。

向かうのは標高329mの鋸山。

駅から出てしばらく歩くとその名前の由来がわかります。

屹立する岩壁が、緑の上にのぞきます。

直線に区切れれ、幾本もの方丈に見える様子が鋸の歯に見立てられたそうです。

凝灰岩の質が房州石とも呼ばれ、石切場になっていたという歴史の産物。

山道にはいると、確かに岩の露出した道が続きます。

 

昨日の千葉県立博物館・生態園で体験したとおり、照葉樹と落葉樹が周りを覆い、鳥声もかまびすしい。

ただ山路は急なので汗はだらだらと流れ下ります。

 

まさしく切って通した大岩の切り通しを抜けるとこjんな道しるべが。

「地獄のぞき」

しかしそう脅されたすぐ後に出てくるのは、日本寺の山門と岩に掘られた観音様です。

 

よほど危険な石切場だったのではと逆に想像してしまうほど、

岩にほほえむ観音様は生身の力を持っています。

端正な芸術品というより、願いがむき出しに成っている感じが見えるのです。

だからこそ、その先には地獄があるのでしょうか。

 

そしてまた、その名から裏切られる絶景。

房総丘陵のしなやかな背は緑に覆われ、東京湾から太平洋へとひらいた海原が遠景を飾ります。

谷津には田んぼ、川沿いに家並み。

 

天国からこの世を見渡すような気持ちにすらなります。

 

麓からここまで1時間、今日の気温では汗がリットル単位で抜けましたが、

春秋なら体が温まったところでこの絶景に恵まれ、空いたおなかに握り飯がうまい、というほどの位置取りです。

 

ただ今日の私たちは、浜金谷から出発して、標準コースタイムが2時間50分、でも次に保田で乗る特急まで3時間をしか

計算していないぎりぎり歩行なのです。

すぐに下り路に入っていきますが、ここでも修行は続きます。

 

岩の祠が至る所に着られて、羅漢像が並びます。

走り織り、手を合わせて過ぎゆく旅人二人は小天狗か?

くらい彼女も調子よい足取りで、コースタイムは半分で済みました。

(地をはう根を軽やかに走り抜ける、ふさおまきメス)

 

下山口近くには奈良の大仏山より背が高いという、涅槃の方が待っていてくださいます。

丁寧に手を合わせ、山であり寺域を後にすると、

路は平らになります。

 

踏み切りを渡れば駅はあと1キロほど向こう。

時間は1時間残りました。

そこで、少し足を伸ばして保田海岸へ行くと、気分はまた180度展開します。

ビーチです。水着の家族連れが走ります。

肌がこんがり焼けた、引き締まった体のライフセーバーが笑顔で、でかいリュックを背負った夫婦を迎えてくれます。

一言「楽しんで!」

かっくいい!

吹く風に体は心地よく、裾をまくり上げた足を水につけると、むくみもすっとひいていきました。

 

博物館に窓からの花火、走り幅跳びで躍動して、特急旅行を楽しみ、

山に登って修行のような祈りを体験、最後は海水浴雰囲気。

駆け回る南米ザル夫婦にふさわしい、あわただしくもたっぷり膨らんだ千葉旅行でした。

 

 

 

 

 

 


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