金子由紀子『買わない習慣』アスペクト文庫,2013年

金子由紀子『お金に頼らずかしこく生きる――買わない習慣』アスペクト文庫,2013年
きっかけは、とあるSNS内で紹介されたこと。図書館から借り出し通読。2009年に単行本で発行され、2013年に文庫化された本。著者は編集者出身だけあり読み易い。買わないことも含めて家計の支出を見直すのは、頭の体操になりおもしろい。
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高坂正堯『国際政治――恐怖と希望 改版』中公新書,2017年

著者(こうさか・まさたか,1934-1996)の専攻は、国際政治学、ヨーロッパ政治史。
「国家間の関係は(中略)3つレベル(力の体系、利益の体系、価値の体系:引用者註記)の関係がからみあった複雑な関係である」(p.21)を某氏が引用(註)していることを知ったのが、この本を読んだきっかけ。

(註)佐藤優「東アジアにおける日本の地政学的状況は一層悪化」『現代用語の基礎知識2023』自由国民社,2023年,p.125。
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ジョン・ル・カレ著-加賀山卓朗訳『スパイはいまも謀略の地に』早川書房,2020年

著者は、英国出身の著名な作家。原書『Agent Running in the Field』は2019年に発行された作品の邦訳。
おもしろいから一気に読める。主人公ナットがかっこ好い。ソ連の諜報員プーチン、英国のブレクジットなど、現実の言葉もあって楽しく、かつ、おもしろい。”ネタ”ばらしになってしまうから、ここではこの辺りまで。
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青野由利『ウイルスって何だろう』筑摩書房(ちくまQブックス),2022年7月15日

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480251350/
著者は、科学ジャーナリストで毎日新聞社論説室専門編集委員。
今回発明されたmRNAワクチンが、これまでのワクチンとどのように異なるかがわかりやすく説明されている。歴史上の有名な感染症、すなわち、天然痘、黒死病(ペスト)、スペイン風邪などが取り上げられ、感染症が及ぼす社会への影響も記述されている。良書。
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平賀緑『食べものから学ぶ世界史――人も自然も壊さない経済とは?』岩波ジュニア新書,2021年7月26日

著者は京都橘大学経済学部准教授。京都大学博士(経済学)。植物油を中心に食料システムを政治経済学的アプローチから研究している由(出所は本書奥書の頁上部の著者プロフィール)。「食品を過剰に生産して必要以上に消費(食べ過ぎ)すれば経済成長、メタボになってジムや医者に行けば経済成長、トクホやダイエット食品を買い食いすれば経済成長、食品ロスを増やせばその処理事業でも経済成長というぐあいに。」(p.10)、昨今の暗黙の悪しき風潮、すなわち、経済をGDPで計っていると、人や地球が不健康になればなるほど「経済成長」することになるのは、変だ! という発想は重要。良書。
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鈴木智彦『ヤクザと原発――福島第一潜入記』文藝春秋,2011年

著者は自称、暴力団専門ライター(本書p.244)。「原発は人間の手に負える代物ではない」(p.258)、「しわ寄せを食らうのは、結局のところ、下請け業者である」(p.259)などが印象的。著者の潜入がまさに身体を張った「危険な行為」(p.245)であったこと、それに基づく本書の内容は貴重。「隠蔽しようと動く」(p.262)のを止めさせるための何らかの手立てが必要に思う。良書。
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アンデシュ・ハンセン『運動脳』サンマーク出版,2022年9月

https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=4014-2
著者は精神科医。『スマホ脳』の著者。ちょっと運動するだけでも脳に好い影響を与えることができる、というのが本書の主張の根本。本を閉じ、PCを閉じて、屋外へ出て運動しよう! 好書。
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横田増生『ユニクロ潜入一年』文春文庫,2020年

著者はジャーナリスト。本書は大株主でかつCEOである柳井正氏の会社=ユニクロを潜入取材することにより、この会社ユニクロの内部で働くの労働者の立場から書いた本。底辺の労働者のサービス残業などによって利益を生み出していること、多くの中間管理職がトップのイエスマンになり下がり、上司のたんなる操り人形になっている実態がわかる。ユニクロはSLAP訴訟もいとわぬ厚顔無恥の破廉恥な会社であることもわかる。ユニクロは言わば柳井正氏の”独裁”企業だ。著者のジャーナリスト魂を讃(たた)えたい。良書。
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畠中雅子・新美雅也『入院・介護のお金――知らないと損する48のこと』技術評論社,2018年

畠中雅子・新美雅也『入院・介護のお金――知らないと損する48のこと』技術評論社,2018年
https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9677-0

本書のような内容を持つ本は、これまでに出版されていそうで、じつは、稀有。だから、きわめて貴重本。

著者のお二人は、ともにフィナンシャルプランナー。
本書のねらいは、本書「はじめに」に書かれているように、
【引用はじめ】
「健康なうちに制度を理解しておくこと=知識武装すること」は、老後に備える確かな方法と言える
【引用おわり】
に絞られている。ざっぱくな”縁側茶飲み談義”ではなく、頻出する具体的な事象について記述されているので、好感がもてる。

介護保険制度が始まって22年半経つ。同時に施行された民法の成年後見制度も22年半経つ。まず、制度を知り、事態が生じたらただちに使えるようにしておくことが大切。制度を使えるようにしておくだけでは、不十分。先立つもの、すなわち、家計から見た高齢者の入院、介護にかかわる”お金”について、あらかじめ知っておき、前もって作戦を立てておくことこそ求められている。その点で本書はきわめつきの良書。ただ、診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに改定され続ける。それにあわせ、版元におかれては。本書の改版を発行し続けてほしい。
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吉野実『「廃炉」という幻想――福島第一原発、本当の物語』光文社新書,2022年2月

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334045890
「東京電力、福島第一原発の廃炉が、30〜40年で完了する」という話、イメージは幻想だ、というのが本書の主張。福島第一原発の廃炉作業の実態(費用を含め)がどうなっているのかを知る必要がある。例えば、「エンドステート」まで300年かかるかもしれない(本書142ページ日本原子力学会「福島第一原子力発電所廃炉検討委員会のレポート「国際標準からみた廃棄物管理-廃棄物検討分科会中間報告-」2020年7月, p.25)(註)。

(註)
一般社団法人 日本原子力学会、福島第一原子力発電所廃炉検討委員会「国際標準からみた廃棄物管理-廃棄物検討分科会中間報告-」2020年7月
https://www.aesj.net/uploads/dlm_uploads/hairohaikibutubunkakai_tyukanhoukokusyo0714.pdf
https://www.aesj.net/pr20200721
https://www.aesj.net/aesj_fukushima/fukushima-decommissioning
以上
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