高木彬光『「横浜」をつくった男――易聖・高島嘉右衛門の生涯』光文社文庫.2009年

高木彬光『「横浜」をつくった男――易聖・高島嘉右衛門の生涯(大予言者の秘密の改題)』光文社文庫.2009年
横浜三名士の一人、高島嘉右衛門(たかしま かえもん)の歴史小説風伝記。幕末から明治時代に生きた高島嘉右衛門の波乱の一生を描いている。著者は易にも造詣が深いことから、随所に易をみる高島嘉右衛門の姿も現れる。400ページを超える本だが、小説家が書いた伝記だけあって読みやすい。
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海渡雄一『原発訴訟』岩波新書,2011年

裁判所はこれまで原発訴訟について判断を誤っていた。
本書は「一刻も早くすべての原発を止め脱原発を実現するという課題」へのマニフェスト(本書252-253ページ)である。良書。
東京電力福島第一原発の今回の事故について訴訟がすでに提起されていると聞く。裁判所の判断に注目したい。

中目次
はじめに――「原発訴訟」とはなにか
*日本の原発の種類
第1章 原発の安全性を問う
   1 行政訴訟の枠組み――伊方最高裁判決の意義
   2 矛盾に気づき始めた裁判官たち
   3 初の原告勝利判決――もんじゅ控訴審判決
   4 逆転敗訴のもんじゅ最高裁判決
   5 もう一つの勝利判決――志賀原発2号炉金沢地裁判決
第2章 原発は大地震に耐えられるか
   1 浜岡原発訴訟――静岡地裁判決までの経緯
   2 最高裁のダブルスタンダード――柏崎原発訴訟
   3 核燃料サイクル施設の危険性――青森県六ケ所村
   4 地震・活断層と各地の原発
第3章 福島原発事故と東京電力
   1 東京電力の危険な”体質”
   2 本当に「想定外」だったのか
   3 被災者のための損害賠償――ADRの積極活用を
第4章 被曝した労働者、住民たち
   1 原発と労災
   2 東海村JOC臨界事故・健康被害裁判
   3 被曝住民と労働者の権利確立を
   *高木仁三郎先生と原子力訴訟
終章 脱原発のための法的課題――福島原発事故を最後とするために
   1 司法の失敗
   2 原子力安全行政をどう改革するか
   3 脱原子力へ――いま、すべきこと
あとがき
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