中川恵一『最強最高のがん知識』海竜社,2017年

筆者は、1960年生まれの放射線医。
地元自治体から支援されている「がん検診」を受ける前に入手し、検診の結果を受けた直後から役に立っている本。平明な文章でわかりやすい。良書。
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佐藤優『16歳のデモクラシー――受験勉強で見につけるリベラルアーツ』晶文社,2020年1月25日初版

去る9月に新首相が誕生した。きょうやっと国会が召集された。ここまで間の新首相の政治がすでに引っかかる。暗くて不気味。その理由が本書を読んで分かった。新首相のやり口が”闇の子”風だからだ。「個別個別の中で具体的な対応を考えていかないといけない」(p.192)。
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宇沢弘文『社会的共通資本』岩波新書,2000年

著者の宇沢弘文氏は数理経済学専攻の経済学者で文化勲章受章者(1997年)。2014年に86歳でご逝去された。『自動車の社会的費用』(岩波新書,1974年)以来、久々にご著書を拝読した。コモンズなど”市場の役割”に委ねることのできない物事があること、逆に言うと、市場は、ある特別な条件がそろわないと機能しない、と説く。農業と農村(第2章)、都市(第3章)、学校教育(第4章)、医療(第5章)、金融制度(第6章)、地球環境(第7章)の各分野について考察している。いまも内容は古びていないという点で古典。
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福井雄三『開戦と終戦をアメリカに発した男――戦時外交官 加瀬俊一秘録』毎日ワンズ,2020年4月

副題で、さきの大戦の際、宣戦布告文書と降伏文書の双方にかかわった中堅外交官いたことを知った。彼は、戦中、著名な外務省幹部、外務大臣に仕えた。敗戦後、東京湾に浮かぶ戦艦ミズーリ甲板での降伏文書調印式に外務省からの随員として加わっていた。表紙カバーはそのときの写真。日本が国連加盟したとき(1956年)の国連大使でもあった加瀬俊一。評伝として、かつ、戦中戦後の日本外交を臨場感をもって書かれていておもしろい。収穫としては、たとえば、国際連盟を脱退したときの外務大臣、松岡洋右の印象が変わった。歴史は多面的で、記述により歴史上の人物の見方が変わる例。著者は、1953年生まれの、大学の先生で、専攻は国際政治、日本近現代史の由。
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渡邊雄介『「声筋」を鍛えなさい』晶文社,2018年

著者は、国際医療福祉大学医学部教授。山王病院東京ボイスセンター長。耳鼻咽喉科の中でも特に音声を専門とする。
・中高年になると、男性は声が少し高くなり、女性は声が少し低くなる傾向がある由。人生の終盤で声の高さが変わるというのは面白い。
・「口呼吸」による「ドライのど」から「鼻呼吸+腹式呼吸」に改めるなど、「ツヤ声」を目指すための具体の予防策が書かれている。
良書。
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山本博文『「関ヶ原」の決算書』新潮新書,2020年4月

本書により、
・なぜ、敗軍に属した島津家が唯一、減封も改易もされず生き延びたのか?
・関ケ原の合戦でどれほどのおカネが動いたのか?
を知ることができる。おもしろい!
著者の山本博文氏は、本書の校正が完了した直後にご逝去された由。謹んでご冥福をお祈りいたします。
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