岩下宜子監修『冠婚葬祭マナーの新常識』主婦の友社,2020年11月30日

・監修者の岩下宜子さんは、現代礼法研究会代表。

・新型ウイルス感染が広がったのは2020年の春。本書はその年の秋に主婦の友社会から発行された。

・本書内のコラム「withコロナ」は監修者による提案の由(本書の「はじめに」)。参考になる。
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田中孝幸『13歳からの地政学――カイゾクとの地球儀航海』東洋経済新報社,2022年

本書は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023 リベラルアーツ部門賞」受賞作品。
https://business-book.jp/result

著者の田中孝幸氏は国際政治記者(本書奥書より)。
主要な3人の登場人物(高校生と中学生の兄妹、および謎のおじさんが一人)による7日間にわたる対話の形でつづられている。地理、歴史、政治など分野を超えて、3人が地球儀を見ながら対話が繰り広げられる。事前の知識をあまり求められず、初心者にもわかりやすい地政学。文章は平易だが、再読、再再読に耐える”濃い内容”。おもしろい。急いで通読したい人は、各章末にある「X日目のまとめ」を7つ読めば本書の論旨が手っ取り早く知ることができるので便利。
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中山信弘『ある知財法学者の軌跡――知的財産法学にいざなわれて』弘文堂,2022年5月

著者の中山信弘は、東京大学名誉教授、弁護士(本書の発行日現在)。

本書は、
・著者による回顧録と
・著者と門下生とのQ&A、
・ゆかりのある方々のエッセイ
から成る。

中山信弘師の人となりを知ることにより元気が湧き出る。

備忘録としてのキーワード(項の見出し):
・「自然権よりはインセンティヴ論」(p.287)
・「『知的所有権』ではなくて『知的財産権』(p.290)

本書を知ったきっかけは、今春の『ジュリスト』に私の友人の書評が載ったこと。
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松本明子『実家じまい終わらせました!大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』祥伝社,2022年

https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=9784396617868
著者の松本明子さんは、1966年生まれのタレント。
本書は、全4章立ての構造がしっかりしている。まず、松本明子さんのご実家(在、香川県)の売却(第1章)がきっかけなっている(ように読める)。第2章から第3章は、第三者(それぞれの分野の専門家)と山本明子さんとの対談で書かれており、こちらも話し言葉で、かつ具体的な内容なので読み易い。第2章は不動産の売却などの取引関連。第3章は遺品整理。第4章は墓じまい。近い将来、ご実家の処分を予定している人は、一読をお勧めしたい。少なくとも心の準備になる。松本明子さんの、昔から変わらぬ明るい性格が好い。良書かつ好書。
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手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』小学館文庫,2020年

この小説は、当初、2006年3月に新潮社から出版され、2007年12月に新潮文庫から発行された。それをさらに改稿して文庫化されたもの。

著者は、作家、外交ジャーナリスト。元NHKワシントン支局長。「十五年目の著者ノート」も収録されている。本文は430ページだが、一気に読める。

現在、住民基本台帳と連動しているマイナンバーカードに医療保険の被保険者証の役割を一本化させることに”絶対徹底反対”する人たちが居る。それにも関連するわが国特有の深くかつ昔からのモチーフが本書の底を流れている。
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黒川伊保子『コミュニケーション・ストレス――男女のミゾを科学する』PHP新書,2020年

著者は、ブレイン・サイバネティクスの研究者で株式会社感性リサーチ代表取締役社長(本書発行時点)。
人には「ゴール指向問題解決型」と「プロセス指向共感型」の2タイプのコミュニケーション様式があり、それを踏まえたうえで工夫してお付き合いしましょうね、という内容。本書内で提案されている「ストレス・イーブン」は合理的。「タスク・イーブン」よりずっと説得的と思う。
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國枝すみれ『アメリカ分断の淵をゆく――悩める大国・めげないアメリカ人』毎日新聞出版,2022年

著者は毎日新聞社の記者。
本書14ページの「本書のおもな舞台」の地図が好い。本書は全10章立て。米国内のさまざまな州(12州)のさまざまな町(18市町、郡)には、いろいろな生活、活動や主張をしている人が居ることがわかる。米国内の多様性と、考え方が対立している人々も垣間見ることができる。読みやすくおもしろい。かつ内容は濃い。

いまの米国は種々の社会問題を抱えている。麻薬・ドラッグ(第1章)、人種差別(第2章)、銃犯罪(第5章)、性犯罪(第7章)、移民・難民(第9章)。過去から引き続く社会問題として、原爆報道(第6章)、核兵器開発実験(第8章)があり、地球規模の問題として、尊厳死(第3章)、温暖化(第4章)もある。まとめの章に相当する第10章のキーワードは、Black Lives Matter(BLM)・ドナルドトランプ・情報公開・突撃取材・マネーカウ・our unborn child・「Mからの脱出」・赤から青に鞍替えした州(アリゾナ、ミシガン、ウィスコンシン、ジョージア、ペンシルベニア)・「YOU'RE FIRED」・ファクトチェック・愛国心・多民族多文化が融合した社会と分離した社会の2つの異なる文化が衝突・プロライフ派とプロチョイス派・(オハイオ州)アシュランドのような小さな田舎町。
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稲垣栄洋『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか――仏教と植物の切っても切れない66の関係』幻冬舎新書,2015年

取り上げられた植物は、
第1章――ハス、マンジュシャゲ、マンダラゲ、チョウセンアサガオ、シキミ、サカキ、マツ、ヒイラギ、モミの木、(ウドンゲ(想像上の花))、フサナリイチジク、ナンテン、キク、ススキ、ジュズダマ、ハトムギ、マコモ、ムクロジ、ナツツバキ、タラヨウ、ムユウジュ、ボダイジュ、サラ、インドボダイジュ、インドジュズノキ、ジュズボダイジュ、ジンコウ、ビャクダン、チョウジ、ウコン、リュウノウ、タブノキ
第2章――インゲンマメ、フジマメ、エンドウ、ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ノビル、ダイズ、トウガラシ、ソバ、チャノキ、キュウリ、ナス、チョウセンアサガオ、マンドレイク、ベラドンナ、タバコ、トマト、ジャガイモ、アマチャ、ガクアジサイ、コアジサイ、アジサイ、ダイコン、ゴマ、クルミ、コショウ、ミョウガ、アズキ
第3章――ミソハギ、レンゲ、スギナ、ツクシ、ホトケノザ、コオニタビラコ、イヌタデ、オミナエシ、オトコエシ、ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、フジバカマ、キキョウ、ザゼンソウ、キランソウ、ジュウニヒトエ、シロツメクサ、カタバミ、ホテイアオイ、ミズアオイ、フタバアオイ
第4章――雑草、ハーブ、ウィード。以上
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杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』産経新聞出版,2021年

・著者は、東京大学大学院物理工学修士。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹(本書の発行日現在)。
・”地球温暖化危機”説はフェイクである、を前提にして、政府からの温暖化対策予算・補助金に群がる利権構造の存在を指摘している。メディアもそれに便乗している点でいっそう問題と主張する。
・東日本大震災(2011年3月11日)にともなう東京電力福島第一原発事故を受けて立案されたドイツのエネルギー政策は、脱石炭と脱原子力を同時に進めるという”無謀”な方針だった。そのためドイツはロシアの天然ガスに頼ることになったが、これはロシアの立場を強めることになった(p.238)。その結果、2022年2月からの、ロシアとEUやNATOとの軍事上の紛争が勃発した遠因になったわけだが、本書は、それをエネルギー政策の観点から的確に”予感”していたといえる。
・管見では、ロシアを悪者にした、英米によるドイツ、EUいじめのような気がする。
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奥野一成『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』ダイヤモンド社,2020年

著者の奥野一成(おくの・かずのり)氏は、農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)(ただし、本書が発行された時点)。本書中、注目したのは、株価指数についての記述。とくに米国S&P500と本邦TOPIXなどとの比較(p.241)。キーワードは”新陳代謝”。
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