神田松鯉『人生を豊かにしたい人のための講談』マイナビ新書,2020年

著者の講談師・神田松鯉(かんだ しょうり)先生は重要無形文化財保持者(=人間国宝)で、話題の、六代目・神田伯山の師匠。著者は数百のネタをお持ちの由(p.108)、好きなネタは『勧進帳』とのこと(同)。「男の美学」がはっきり出ている話だからだそう。p.198に書かれた作家吉川英治氏の言葉が重い。「菊根分けあとは自分の土で咲け」。
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スマイリーキクチ『突然、僕は殺人犯にされた――ネット中傷被害を受けた10年間』竹書房,2011年

web上の匿名の書き込みにより中傷された被害者の立場から書かれた本。結果としてこの事件の複数の容疑者は不起訴になった。しかし、警察の捜査を通して、web上の匿名の書き込みは、現実問題として”匿名”ではありえないことが、実際にわかる、という点で良書。著者の苦渋を労いたい。特別付録のマニュアルも好い。このマニュアルは残念ながら現時点でもある程度、有効と思われる。すくなくとも、改正プロバイダー責任制限法が2022年秋までに施行されるまでは。
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