井上章一『京都ぎらい』朝日新書,2015年

京都の”洛中文化””いけず視線”が具体的にわかる。
いっぱんに、新参者に冷たく底意地が悪い風習は日本国内のどの組織にもある。とくに歴史のある組織に新人として入った際に感じる息苦しさ、風通しの悪さを想起できる。今後、日本および先進国の人口が減るにつれ、この悪習が強まるであろうことを憂慮する。
いけずを受ける側の立場の気持ちが書かれている点で良書。
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谷沢永一・渡部昇一『封印の近現代史』ビジネス社,2001年

マッカーサーは1951年5月3日に米国上院軍事外交合同委員会での公聴会で「日本の戦争目的は侵略ではなかった」ことを証言している(pp.122-126)由。当時、日本のマスコミは報道しなかった由。このマッカーサーの議会証言は、小堀桂一郎編『東京裁判 日本の弁明』講談社学術文庫の付録に載っている由。マッカーサー証言の重要部分は本書に引用されている(pp.124-126)のでつぎに記す。

 日本は八千万人近い厖大な人口を抱へ、それが四つの島の中にひしめいてゐるのだということを理解していただかなくてはなりません。その半分近くが農業人口で、あとの半分が工業生産に従事してゐました。
 潜在的に、日本の擁する労働者は量的にも質的にも、私がこれまでに接したいづれにも劣らぬ優秀なものです。歴史上のどの時点においてか、日本の労働者は、人間は怠けてゐる時よりも、働き、生産してゐる時の方がより幸福なのだといふこと、つまり労働の尊厳と呼んでもよいやうなものを発見してゐたのです。
 これほど巨大な労働能力を持ってゐるといふことは、彼らには何か働くための材料が必要だといふことを意味します。彼らは工場を建設し、労働力を有してゐました。しかし彼らは手を加えるべき原料を得ることができませんでした。
 日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何も無いのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫が無い、ゴムが無い。その他実に多くの原料が欠如してゐる。そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在してゐたのです。
 もしこれらの原料の供給を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れてゐました。したがって、彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。(『東京裁判日本の弁明』「却下未提出弁護側資料」抜粋 小堀桂一郎編 講談社学術文庫)
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浪川攻『証券会社がなくなる日』講談社現代新書,2020年9月20日

「7つのいちよし基準」(p.212)が面白い。
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中野信子『「嫌いっ!」の運用』小学館新書,2020年11月

直感とその効用に関連する記述に同感。理屈だけこだわるのではなく直感にも堂々と自信を持ちたい。良書。
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中川恵一『がんの時代』海竜社,2018年

読みやすい。とくに第3章の養老猛司氏との対談がおもしろい。良書。
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