without A trace

favorite stuff...
music, trip, cinema, art, and so on.

a man among men

2006-04-01 | music : favorite


男の中の男。こう呼ぶに相応しい男、Paul Westerberg。
“Mr. ロックンロール・ダンディ” ・・・私は勝手に彼をこう呼んでいる。
The Replacements解散後、Seattleを舞台にグランジ・ミュージシャンを中心に描いた、キャメロン・クロウ監督の映画 『Singles』 の音楽を担当し、サントラにも2曲提供した。
そして、93年に発表された初のソロ・アルバムがこれ、『14 Songs』。
シンプルすぎるくらいシンプルで、何のてらいもないストレートなガレージ・ロック。
ほとんどの曲がギター・ベース・ドラムのみで、Saxやピアノを加えた曲が2~3曲あるだけ。
ハッキリ言って、ヒット・チャートを賑わすような曲はないし、これほどまでシンプルかつストレートなのは、時として何か物足りない感じがしたりする。
しかしこのアルバムには、エッジの効いた突き抜けるロックンロール、どことなく懐かしい気分にさせてくれる古き良き4ビート・ロックンロール、セピア色の記憶が甦るような淡いバラードなど、とても味のある曲が詰まっている。
夜な夜な酔っ払い、手当たり次第にそこら中のモノを壊し、その破天荒な行動で全米のクラブから閉め出しを喰らっていたThe Mats(The Replacements)の若かりし頃。
そんな時代を思わせるようなパンキッシュな曲もあって、ロックンロールに理屈は要らないってことが伝わってくる。
ちょっぴりダミ声の渇いた彼の声は、独特の雰囲気をかもし出し、そのフックの利いたロックはいつ聴いてもホッとさせてくれる。
また、抜群のロックンロール・テイストを放っている、ポップでご機嫌なナンバーのM-1 「Knockin' On Mine」、M-3 「World Class Fad」、M-11 「Things」、M-13 「Mannequin Shop」なんかを聴くと、テンションが上がる。
NirvanaのKurt Cobainらにも多大な影響を与え、Bob Mouldと並んでMinneapolisのロック・シーンには欠かせない、師匠的存在のミュージシャンズ・ミュージシャンである。


★今月のプロフィールの画像は、4月が誕生月のSoul AsylumのDave Pirner。
  これは彼の最新の写真。息子ももうすぐ3歳、そして彼は42歳になる。