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Razorlight / Slipway Fires

2009-01-25 | music : favorite


日本では、以前のような盛り上がりはちょっとなくなってしまったように感じるが、本国UKでは押しも押されもせぬ相変わらずの人気っぷりのRazorlight(レイザーライト)。
昨年11月にリリースされた3rdアルバム 『Slipway Fires』 に合わせて早くも来日し、東京公演を終えて、この後名古屋・大阪を控えている。
しかし、国内盤の発売が来日の約1週間前だったのは、少し無謀ではなかっただろうか。前回はクアトロという小さいハコだったが、連日SOLD OUTという盛況ぶりだったのに比べ、今回東京ではSHIBUYA-AX1回のみで、しかも動員はあまり芳しくないのか、AXの2階席は通常すぐに売り切れるのがずっと残っていたし、イープラスから招待メールなんかも届いていた。
ニュー・アルバムはさほど期待していなかったのだが、私の2008年のベスト10内にも入ったほど聴けば聴くほど良くなり、ライヴも行きたかったのだが、仕事の都合で行けなかった。
もちろん私のように輸入盤で聴いてる人も少なくないだろうが、やはりボートラありの国内盤を購入する人の方が多いのではないだろうか。これはレコード会社と招聘先のクリエイティブマンのスケジュール・ミスと言えよう。もったいない・・・。

さてアルバムだが、今回もまたオリジナルと国内盤とではジャケットが違う。別に変える必要はないと思うのだが・・・。
UKの1stシングルとなった、ピアノの音色が綺麗なM-1 「Wire To Wire」 でしっとりと始まる。過去2枚のアルバムとは違った出だしだ。Johnny Borrell(ジョニー・ボーレル)のVo.は、冴えまくっている。
哀愁漂うアコギが響く、M-2 「Hostage Of Love」 も美しい。エモーショナルなサビになると、これまでのRazorlightっぽさが垣間見えてくる。
ピアノ、アコギに続いてM-3 「You And The Rest」 は、ドラムのバチ捌きが軽快でちょっとコミカルなリズムを奏でるポップなナンバー。
タイトに疾走するロック・チューンM-4 「Tabloid Lover」 では、女性コーラスも入ってサウンドに厚みが出て、軽快に突っ走っている。
ゆったりとしたグルーヴを感じるM-5 「North London Trash」、ダークで寂しげなM-6 「60 Thompson」 と続き、ダイナミックなイントロのM-7 「Stinger」 では、前半は儚く歌い、最後は歌い上げる。
アルバムの中でいちばん明るいM-8 「Burberry Blue Eyes」 の、とってもポップで覚え易いメロディーは、つい一緒にくちずさみなくなる可愛い曲。こういうRazorlightが私はとても好きだったりする。
狂おしいくらいに切なく始まるM-10 「Monster Boots」。しっとりバラードかと思いきや、ドゥルドゥルドゥルドゥルルル~というドラミングが入り、ガラッと変わってアップ・テンポで突っ走って行くのが気持ちいい。
最後M-11 「The House」 は、再びピアノをフィーチャーした美しいバラードで締めくくる。

これまでとは違ってロック色は薄い感じがするが、今回とにかく目立つのが、Johnnyの歌唱力。アグレッシヴでドラマチックで、感情豊かに歌い上げるその声は、とても心を揺さぶられる。
スケールの大きい楽曲が多いが、スノッブな雰囲気があって、鋭さも持ち合わせている彼のVo.が響き渡っている。
曲の流れがとても滑らかなので耳触りが良く、聴き流してしまいがちだが、聴く度に良いな~という気持ちが大きくなって行くのを感じる。


 ボートラが5曲も入っている、国内盤のジャケット