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James Morrison / Songs for You, Truths for Me

2009-01-10 | music : favorite


“酔いしれる” というのは、正にこういう音楽を言うのだということを、心の底から実感させてくれるアルバム。
UKのSSW、James Morrison(ジェイムス・モリソン)の2年ぶりの2nd 『Songs for You, Truths for Me』。
彼のデビュー作 『Undiscovered』 は、完全に波に乗り遅れて後追いだったのだが、そのソウルフルでハスキーな歌声と、才能の豊かさが伺える楽曲の素晴らしさに一聴しただけで大好きになった。
そして待望の新作では、そのソウルフルな歌声は更に磨きがかかって味が出て、ポップでブルージーな心温まる素晴らしい曲がビッシリ詰まっている。
アップ・テンポなM-1 「The Only Night」 で幕開け。イントロから掛け声なんかがあってかなり弾けているが、歌に入ると軽快なピアノに乗って、もうそこは彼の世界。ヴァースの滑らかなメロディ・ラインにはぞくっとさせられる。
M-2 「Save Yourself」 のサビ・メロも素敵だ。ゴスペルっぽい女性コーラスが更に盛り上げる。
M-3 「You Make It Real」 は、昨年9月に先行シングルとして発売された曲で、ゆったりとしたグルーヴィな切ないナンバー。
カナダの女性シンガーNelly Furtado(ネリー・ファータド)とのデュエットM-5 「Broken Strings」 は、とても力強くて説得力があって、ふたりの絡み合う歌声がとてもセクシーだ。
M-6 「Nothing Ever Hurt Like You」 では、ベーシックなソウル・ミュージックへのオマージュが伺える。
M-7 「Once, When I Was Little」 の淋しげな歌い出しと、広がりが感じるサビの展開は、もう鳥肌が立つほどキューッとなるメロディで、ストリングスとコーラスが合わさって素敵なハーモニーを奏でる。
M-8 「Precious Love」 は、文句なしで私のツボに入りまくりの一曲。大好きな3連で、オルガンのメロディがどこか懐かしく、横揺れのソウルフルなグルーヴが気持ちよくてストレートに響いてくる。
多彩でポップなM-10 「Fix the World Up for You」 も、シンプルなバラードM-11 「Dream on Hayley」 も素晴らしい。

本当に白人のイギリス人が作り出す音楽とは思えないほど、魂が溢れている。目を閉じて聴いていると、そこには黒人の聖歌隊が浮かんでくるほど、ブラックなインスピレーションを感じる。
どの曲も本当に素晴らしく、深みのある心に沁みる曲ばかりで、何度も何度もくり返し聴いてしまう。
『Songs for You, Truths for Me』 という、とってもピュアなタイトルについて、彼はこう語っている。“このアルバムをそう呼ぶのは、僕が感じていることだから。全ての歌はジル(ガールフレンド)とみんなのための歌なんだ。だって、僕にはそれが当り前のこと。僕がどんなにそのことを感じているかなんだ。” と・・・。
イベントやショーケースで来日はしているものの、昨年残念ながら喉の病気のために初の単独来日が中止になったままなので、現在国内盤が発売延期というのが気になるが、この素晴らしい2ndの曲を引っさげて早く再来日してほしい。