ちょっと色々と忙しかったので、書き込みは久しぶりだ。
ゆっくりとCDを聴く時間もなかったけど、少し落ち着いたので、久しぶりの書き込みである。
・・・とは言っても、私がここに挙げるアーティストは、殆んど90年代のものばかりで、やはり今日取りあげるのもそんなバンドのこと。
USメリーランド州の学園都市Baltimoreから1994年にデビューしたThe Greenberry Woods。
クリスマス・イヴに生まれたMattとBrandtの双子のHuseman兄弟中心の4ピース・バンドである。(本当に私は、兄弟バンドを好きになる傾向がある・・・別に意図的では決してない。)
GBWの奏でる音楽を言葉で表現するなら、とにかく “可愛い!” のひと言につきる。メロディ・ライン、コーラス・ワーク、歌詞・・・どれもみなホントに可愛い。
大袈裟かも知れないけど、思わずアルバムごとぎゅーっと抱きしめたくなるくらい・・・。
コーラスは爽やかでキラキラしていて、正に “きらめくポップ・ワールド” なのである。
ふと子供の頃の自分にタイム・スリップさせてくれるような、純粋で懐かしい気分にさせてくれる曲ばかりで、今のこのジメジメした梅雨のうっとうしさも、GBWを聴くと一気に心の隅まで晴れやかにしてくれる。
そんな音を届けてくれるバンドなのだ。
ソングライティングのセンスが抜群で、時にはキュートで、時には切ないメロディが、アルバム全体に散りばめられているので、何度聴いても飽きさせない。
バンドのいきさつは、1987年のこと。まだギターがさほど上手くなかったIan Katzは、ギターを教えてくれる誰かを探していた。
そんな時、大学寮のルームメイトだったMattがIanに教えることになる。後にふたりはバンドをやろうと決め、Brandtがベースで参加。
ドラムスにはIanの高校のクラスメイトだったMiles Rosenが加入した。GBWの誕生である。
しかし、バンド活動は最初からそう上手く行く訳がない。地元のクラブはHR/HMやカバーを演るバンドを欲しがっていて、彼らのPOPな音楽を受け入れてくれる場はなかなか見つからなかった。
それでも彼らに目をとめたあるクラブのオーナーは、The Squeezeのマネージャーを紹介。
とんとん拍子で話は進み、マネージメント契約後、New Yorkでライヴを行うと、幸運にもSireレコードと契約。1993年のことである。
そしてその年の夏、Lenny Kravitzのスタジオでレコーディングを開始し、このデビュー・アルバム 『Rapple Dapple』 をリリースした。
アルバム・リリース後、The Smithereens、Matthew Sweet、Alex Chilton、Buzzcocks、The Squeezeらのサポート・アクトとしてUS、カナダをツアーし、ツアー終了後に映画 『Naked in New York』 のサントラに提供したアルバム未収録曲 「Too Good To Be True」 が話題となった。
そして、1995年に2nd 『Big Money Item』 をリリース。1st以上にキュートな曲ばかりで、音作りもパワー・アップしていた。
『Big Money Item』 1995
相変わらず綺麗で可愛いらしく、キラキラしたギターの音やメランコリックなメロディは、彼らがBeatlesやThe ByrdsやBeach Boysに影響を受けたと言う通り、60年代のPOPSをも彷彿させる。
しかし、GBWとしてのアルバムはこの2枚のみで、今では廃盤となってしまっているので、私には貴重な2枚である。
そしていつの間にかバンドは解散していた。
ところがこれまたいつの間にかと言うか、2ndリリースの翌年1996年にはMattとBrandt(Brandtはドラムスに転向)がSplitsvilleというこれまたPOPな新バンドを結成し、アルバムをリリースした。
そして、これまでに5枚のアルバムをリリースし、現在も活動中・・・のはず・・・。
このSplitsvilleのことをここで触れると、更に長くなるのでまた次回。
ちなみにIanは、Wonderfoolを結成。
そして2000年には、POWER POPのフェスティバル “INTERNATIONAL POP OVERTHROW” (このタイトルは、前に書いたMaterial Issueのアルバムタイトルから付けられたもの)に、The Greenberry Woodsの名で出演したらしい。