【初ウェールズ、小さな街の大きな城塞】 05/12/09 : コンウェイ
チェスターからArriva Trains Wales(アリーヴァ・トレインズ・ウェールズ)で向かった先は、アイリッシュ海に面したウェールズの小さな港街Conwy(コンウェイ : 日本語読みではコンウィと表記されることが多いが、ウェールズ語の発音はコンウェイらしい)。
ウェールズ内の路線は電化されていないので、運行している列車は全て気動車、いわゆるディーゼルカー。


イングランドとウェールズとの境はチェスターからはすぐで、次の駅Flint(フリント)はもう既にウェールズ。駅の標識もウェールズ語が先に表記されていた。

海が見えてきた。そしてまた虹・・・


私にとってウェールズと言えばマニックス(Manic Street Preachers)! これから行くところは彼らの故郷の南ウェールズとは反対の北側で直接関係ないのだが、ウェールズの海が見えてきただけでなんだかわくわくしてきた。チェスターから約50分、Llandudno Junction(スランドゥドノ・ジャンクション)に到着。コンウェイはこの次だが、行きはここで下車。


コンウェイに向かって歩いている途中、おぉ~やっぱりウェールズだなーという光景が目に入った。
それはこれ、




途中、対岸のスランドゥドノの街と



そしてコンウェイ城が近付いてきた

コンウェイ城は、イングランド王エドワード1世が、ウェールズ征服の拠点として築いた城で、世界遺産に登録されている。八本の円形の塔が聳え、美しくもあり戦闘という血生臭ささえ感じるまさしく城塞。八本の塔には登ることができる。塔のてっぺんは冷たい海風が気持ちよく頬を叩き、見渡す対岸の景色はとても美しかった(タイトル写真)。てっぺんまで登ったのは三本だけだったが、てっぺんまで登らなくても十分楽しめた。
中に入ると



すぐ横に線路が!


歩いてきた道が見えた。下の写真の左が歩いてきた橋、真ん中が今は封鎖されているサスペンションブリッジという吊り橋、右が鉄道用。逆側から見渡したコンウェイの街は、こじんまりしていて可愛かった。でも、この辺りは少し前まで洪水警報が毎日のように出ていたところ。連日続いていた豪雨で川が増水し、転覆しているボートの痛々しい姿も見えた。



凛としたカモメ



チャペルがあったところ

あっちに登ってこっちに登ってと存分に城を楽しんだあと、街へと向かった。城は街の端にあり、30分もあればぐるっと一周できるほどの小さな街。


案内板にウェールズ・ドラゴンが!

カモメはコンウェイのシンボルらしい


この可愛い警察署の前のランカスター・スクエアにはクリスマス・ツリーが飾られていた。そしてこの広場に、中世の騎士の姿をした人の像を上に付けた柱が立っていたのだが、この人いったい誰なんだろう・・・。


帰りはコンウェイから列車に乗るので、広場のすぐ近くにある駅に下見に行った。列車の時刻の確認もあったが、コンウェイ駅は城壁の中にある無人駅で、列車は合図をしないと停まらないということをナショナル・レイルのHPなどで知ったので、明るい内にどんな駅なのか見ておきたかった。


城とは反対側の街の端まで行って城壁の外に出てみたり城壁に登ったりしたあと、フィッシュ&チップスを食べに行った。聞くところによると、ウェールズの港街のフィッシュ&チップスはかなり美味しいらしいのだ。
散策中に目星を付けていた 「Fisherman's Cafe」 というお店に行くと、店内で食べるのなら2階へどうぞと案内された。店名のとおり、壁に漁師に関連するものが飾られた雰囲気のいいお店だった。お味の方はというと、フィッシュは衣がサクッ、白身魚はプリプリしていて美味しく、チップスも私の好きな固さで美味しかった。まあ、5年前にBrighton(ブライトン:イングランド・イースト・サセックス州の港街)で食べたフィッシュ&チップスには勝てなかったが、それでも十分満足の行く味だった。



お腹も満たされ、そろそろ列車の時間が近付いてきたので外に出ると、すっかり日も暮れて小雨が降っていた。
雨に濡れた石畳が風情を高める街のメイン・ストリート

暮れ行く空にコンウェイ城が浮かぶ


駅には他にも数人待っている人がいたし、誰も手を挙げなくても列車はちゃんと停車した。車内販売では、街で見つけられなかったウェルシュケーキを買うこともできた。


チェスターで降りてゲストハウスにスーツケースを取りに行くと、家主のお兄さんが居たので鍵を返してお礼を言って再び駅に戻り、アリーヴァ・トレインズでCrewe(クルー)駅で乗り換え。12分遅れて到着したVirgin Trains(ヴァージン・トレインズ)で、London Euston(ロンドン・ユーストン)までノンストップ。一週間ぶりにロンドンに戻った。

