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ちょっといっぷく42 時空を旅する洛中洛外図屏風

2013-04-05 15:11:03 | ちょっといっぷく

Photo_3(クリックで拡大)

図1 洛中洛外図屏風上杉本(国宝)の金閣寺付近(陶板レプリカ)。左下部に閻魔堂の桜が見える。

洛中洛外図を眺めていると、時空を飛び越えて京都を散策できる。しかも作者の意図を探ると興味深々である。応仁の乱以降、洛中洛外図屏風が数多く描かれた(100以上か)。洛中洛外図は室町時代から江戸時代にかけて描かれた風俗画で、京都の市街(洛中)・郊外(洛外)を俯瞰して描いたものである。多くは狩野派の手になり、ほとんどは屏風絵である。美術史上の価値はもちろん、当時の都市や建築を知る史料であるとともに、武士や公家から庶民までの生活が細密に書き込まれており、貴重な資料である。登場人物の数を数えても、2500~3000に及び、しかもそれぞれが個性豊かで一級品のアニメである。洛中洛外図は多分に政治的な意図のもとに制作されたもので、御所、武家屋敷などが目立つように描かれている。また画面の構成にも定型化が見られる。春・夏・秋・冬の風物や行事を描き、祇園会の山鉾を書き込むものが多い。16世紀の洛中洛外図は京都の東側にあたる右隻には下京だけではなく上京の内裏までの広い範囲が描かれ、京都の西側にあたる左隻には上京を描いている。17世紀の洛中洛外図は右隻に東、左隻に西の街並みが描かれている。図1は上杉本(米沢市上杉博物館所蔵本)六曲一双 (狩野永徳筆) 米沢藩主上杉家に伝わったもので、洛中洛外図の中でも傑作とされ、国宝に指定されている。屏風の注文主を十三代将軍足利義輝とし、義輝死後の1565年(永禄8年)9月に完成、その後織田信長が入手し、1574年に上杉謙信に贈ったものとする解釈が有力である。

近年、京都では陶板コピーが製作されて、博物館や地下道などの壁に展示されており、子供だけでなく、大人の「名所当てゲーム」の対象になっている。添え書きの平仮名が見えるが解読は難しい!図1の添え書きが解読できると京都検定何級になるかな?!

ギャラリー洛中洛外では「洛中洛外図」上杉本の屏風を京焼の技術で、見事に復元した陶板画が展示されている。プリントではなく、全て手書きで絵付けされたという洛中洛外図は、500年前の京の表情を、鮮やかに捉えている。清水焼団地代表の話によると、「絵付けの技、焼きの技で、これほどのものが京焼でできるんです。触ってみるとたくさんの釉薬が使われていることがわかります。是非触れて、昔の京都の人々を感じてください。本物の国宝ではこんなことはできないですから(笑)」。たかがコピーではないかと無視することなかれ!実物よりも良くできているのである!騙されたと思って、一度見てください!

http://www.rakuchu-rakugai.jp/world/#。

また、重要文化財の洛中洛外図屏風(舟木本)もPCで細部まで見ることが出来る。原版なので全体としてくすんでいるが、拡大すれば顔の表情まではっきりと判る!
http://www.emuseum.jp/detail/100318/000/000?mode=detail&d_lang=ja&s_lang=ja&class=&title=&c_e=&region=&era=&century=&cptype=&owner=&pos=289&num=4

これは浮世絵の画法に近く、芸術性が非常に高い!いや、むしろ浮世絵のルーツはこの屏風絵にあるのかもしれないと言われている!ま、一度見てください!舟木本は岩佐又兵衛が作者の最右翼であるが・・・?。屈強な男性と豊満な女性!最もありうる話かも?!