金属蛋白においてヘムとtyrosyl ラジカルが見え隠れ(触媒)する結果が数多く蓄積されてきた。図1は最近発表されたα-dioxygenase の結晶解析に基づく模式図である(PDBID: 4HHS)。リノレン酸(LA)がへリックス(H6)とへリックス(H17)の溝に捕捉されている。LAの2番炭素原子はTyr-386に~2.8Å下に近接している。LAのカルボン酸はHis-318, Thr‐323, および Arg-566よりなるポケットに配位して相互作用している。過酸化水素によりアミノ酸残基のチロシンがチロシルラジカルに酸化されるが、LAのα位の水素を引き抜き元に戻る。できたLA・は酸素分子と反応してLA-OO・となる(反応1.)
図1 Rice‐alpha-dioxygenaseにおける活性中心の模式図 (Biochem. (2013) 52(8) 1364-72 参照)。
二原子酸素添加酵素は分子状酸素を基質に反応させる酵素を云う。一つの基質に二原子の酸素を化合させる分子内ジオキシゲナーゼと、二つの基質に二原子の酸素を化合させる分子間ジオキシゲナーゼがある。鉄や銅などの金属を必要とする。上記の場合はFeイオンがポルフィリンに配位して、FeⅣ(Por+・)⇔FeⅢの酸化還元で酵素機能する。
反応1 酵素RαOおよび酸素存在下で進行するアルデヒド化反応。チロシルラジカルは図1の図のような配置でヘムと協同で触媒の役割を果たす。
カテコールジオキシゲナーゼ(catechol dioxygenases)は反応2に示すようにカテコール類を酸化的開裂させる金属タンパク質酵素群である。この酵素群は基質に酸素分子(O2)を組み込む。カテコールジオキシゲナーゼは酸化還元酵素の一つで、カテコール-1,2-ジオキシゲナーゼとカテコール-2,3-ジオキシゲナーゼとプロトカテク酸-3,4-ジオキシゲナーゼの3種類がある。カテコールジオキシゲナーゼの活性部位はだいたいは鉄を含む部分であるが、マンガンを含む型も知られている。
反応2 カテコール-1,2-ジオキシゲナーゼの反応によりカテコールからcis,cis-ムコン酸が生成する例。
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