★ 「重要土地取引規制法」はザル法だった・・・
「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和三年(2021)6月17日(木曜日)
「注視」するだけ、売買停止命令は曖昧、実質はザル法ではないのか
「重要土地取引規制法」、国会が未明に可決・成立
*************************************
6月16日未明、国会は「重要土地取引規制法」(いわゆる「外国人土地規制法」が改称され骨抜きとなった)をなんとか成立させた。
国家の安全保障にかかわる重要案件だが、数年にもわたって議論され、あげくが、このザル法?
たまたま国会議員開館前を通ったら、数十人が「反対」と叫んで座り込んでいたが、どうも組織動員された活動家ばかりのようだった。
「重要土地」とはずばり自衛隊基地や原子力発電所、水源地、橋梁などだが、新法では単に「注視区域」と「特別注視区域」に分けられ、前者は「土地所有者」や「利用実態」を「調査」するだけ。後者は「土地売買に事前届け出」を義務つけた。
「禁止」させることは出来ないのである。
そのうえで、「施設の機能を妨害する行為があれば利用中止勧告・命令が出来、刑事罰が適用される」(罰則は懲役二年以下、罰金二百万円以下)となっている。
「勧告」だけで、刑事罰も軽すぎないか。
近年の妨害行為はハッカーに加えて電波妨害、ラインの寸断など、すでに一般国民の生活レベルでも起こっている。
とくに北海道では水源地の森林が買われ、対馬では自衛隊のレーダー基地地区の土地が韓国資本により買収されている。
山梨県の富士山側のホテルは五軒が中国人経営である。
米国は「外国投資リスク審査現代化法」を制定し、CFIUS(対米外国投資委員会)の機能強化に踏み切った。
豪は「事前承認」を義務づけたばかりか、「中央政府の方針とは異なって地方政府が売買した場合、それを無効に出来る」法律を作った。
英国も事前届け出を義務づけた。
いずれの国でも中国人の不動産投資が熱狂的に活発化している。(以上、宮崎正弘氏)
★ 国民は今までずっと国土の安全について心配し、声をあげてきていたが、今回の件ではたして「よくやった」とは到底言えない内容だった。(自民党のホシュ議員は「まず一歩」と言ったが、今まで何くわぬ顔で通過させてきた(そのホシュ議員たちも「賛成票」を投じてきた悪法の数々には何も言わない)
ところで今回のこの案に反対してきた政党の意見はどういうものか? 共産党についてはどうか?
アタマから決めつけたくないので、是々非々でいくつもり。しかし・・・これはいただけない。
★ 「奪われた土地の周囲に住むものが監視される」・・・・これは日本共産党の反論だが、これには驚いた。どうすればこのような意見が出てくるのか。本気で信じる人はこれでは少ないでしょう。
(それでも、これについては今回の「ザル」では反論も難しくなります。)
共産党は時々素晴らしい意見を言うが、このように理解しがたい意見を言ったりもする。
私は共産党は「確かな野党」と思うが、これはいただけない。公明党との闘いはおおいに賛同しているが。
世界各国の外国資本による土地買収に対する法整備は、取得や利用方法を制限していたり所有者や利用者を厳格に管理していたりしており、何ら法整備もルールも持たないのは日本だけだった!ところで共産党の志位氏はオリンピック開催に対し、必要な問題提起をしています。
今の共産党で「論客」と言えるのは志位さんだけ、と篠原常一郎氏も言っていましたが。それならぜひ聴いておく必要が感じられます。これはこれ、それはそれ、として耳を傾けるのは必要なので聴いています。
山口なつお代表が妄言!五輪中止は非現実的?息を吐くように嘘をつくカルト公明党は解党をー
志位和夫「日本共産党」委員長、定例会見 2021 06 17
私があきれているのは、野党だというだけで意見をよく聞かずにレッテル貼りをして決めつけ、一方アベやスガに家来のように「寄り添い」、国民なら当然従うべきと言って身分制度復活の如き「妄想」にとりつかれている人たちです。
これは少なからず存在します。ツイッターやフェイスブック、ブログにもよく目立ちます。
自分一人で思うなら勝手ですが、必ず他人に「同調圧力」をかけてきてそっくりかえっています。
皇室に対しても同様、いやはや・・・。
感染拡大なら五輪継続困難 観客上限1万人「厳しい」 共同通信社
★ 長いのでなかなか見ることはできないのですが、時間を区切ってでもご覧になれますようにUPしておきました。 【Live】尾身氏ら有志、五輪開催で提言 18時から会見
五輪組織委・橋本会長が会見 尾身会長らの提言受け(2021年6月18日)
軍事ジャーナリスト小川和久氏の文をご覧ください。尾身会長のこと。
先日から気になっていたのですが、自衛隊幹部が尾身先生に対して「政治のトップの意見を聞けないなんて」という非難をしていたので、自衛隊出身でもある軍事評論家の小川和久氏がいかにそれが筋違いであるかをメールマガジンでお書きでしたので、ご紹介します。ぜひご覧ください!!
東京オリンピック・パラリンピック開催をめぐり、政府・自民党は政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長への不満を強めているようです。
確かに尾身さんは3日の参議院厚生労働委員会で「オリンピック開催は普通では(ありえ)ない」と発言し、4日の衆議院厚生労働委員会でも「人流が増える。やるのであれば覚悟を持ってさまざまな感染対策をすることが求められる」などと強調しています。政府・自民党といっても内部には開催反対論もあり、なにがなんでも強行したい人たちが尾身さんに不満を抱いているという話ですね。
これに関連して、自衛隊のOBたちから「スタッフが指揮官に異を唱えていたら組織は成り立たない」といった尾身さんへの批判が飛び出し、「オリンピック開催という国家の大事を何と心得るのか」という同調圧力を生み出しかねない傾向が生まれています。ちょっと整理が必要だと思いますので、一言申し上げておきたい。
私自身は専門家としての尾身さんの姿勢に対する批判や疑問を昨年初めの頃から発信してきましたので、ここでは批判はしません。今回は尾身さんのような国家のアドバイザーの位置づけの観点からお話しします。
たしかに、自衛隊のOBたちが言うように、軍事組織においては指揮官が決心した方針にスタッフ、つまり幕僚が従うのは当たり前です。自分たちの知見を述べ、白熱した議論をするのは指揮官が決心するまでの段階です。
しかし、国家のアドバイザーの立場は違います。日本の制度では立場が明確になっていませんが、閣僚級の職務であり、ときには首相や大統領とも国民の前で衝突することも辞さない立場なのです。歯車の役割を期待される軍事組織の幕僚とは違うのです。
代表的なのは、バイデン政権の首席医療顧問を務めるアンソニー・ファウチ博士です。ファウチ博士は1984年から米国の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の所長を務め、6代にわたって大統領のアドバイザーとして様々な疾病と対峙してきました。昨年1月からはタスクフォースの主要メンバーとして、トランプ政権のホワイトハウスの公衆衛生面のスポークスパーソンでもありました。
もちろん、専門的知識を持たないトランプ大統領に対しては正面から異を唱え続け、昨年11月には「ファウチ氏がトランプ政権の新型コロナウイルス対応を批判したことは容認できない」と公式に非難されたりもしています。それでもトランプ大統領はファウチ博士を首にはできず、博士の発言を都合のよい形でつまみ食いして選挙運動に利用したりもしています。
専門家の誇りにかけて言うべきは言う。国民はそれを期待しているし、批判された大統領でさえそれを認めざるを得ない。首にしたら国民の怒りは大統領に向けられます。それが閣僚級のアドバイザーという職責なのです。菅義偉首相が記者会見で尾身さんを同席させ、自分の発言を補足させているのは、それを意識している面があるからでもあります。
トランプ政権でも、マティス国防長官、ケリー大統領首席補佐官、マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、軍人出身者として公式に異を唱えてきました。これに対して、トランプ大統領はいかに腹が立とうとも、丁重に労をねぎらい、次の人物に引き継ぐことしかできなかったのです。
このような閣僚級アドバイザーの姿は、米国と密接な関係にある自衛隊OBであれば熟知していなければなりません。
それを、軍事組織、それも自衛隊の幕僚と一緒くたに考え、尾身さんへの非難を口にするというのは、日本の国家制度の未熟さを見る思いがします。カニは自分の甲羅に合わせて穴を掘ると言いますが、私も含めて、もう少し大きなカニに成長したいものです(笑)。(小川和久)
ブログのティールーム
ヴァーグナー【生涯と名曲を厳選解説】「ヴァルキューレの騎行」など有名作品とクラシック作曲家の人生
戦後、再開されたバイロイト音楽祭・・・マックス・ローレンツとマルタ・メードルが歌う「ヴァルキューレ」
(1954年のバイロイト実況録音、あのローレンツが長年の疲労で不調だが、気力で聴かせる歌はやはり素晴らしい。そして全盛期を迎えた「バイロイトの女王」マルタ・メードルのドラマティックな声の見事なジークリンデ、指揮は巨匠カイルベルト)
Wagner - Die Walküre - Act I, Scene III - Max Lorenz, Martha Mödl (Bayreuth, 1954)
Siegmund - Max Lorenz
Sieglinde - Martha Mödl
Orchester der Bayreuther Festspiele
Joseph Keilberth, conductor
Bayreuth Festspielhaus, July 25, 1954