教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

さいきん富士見ファンタジアって変わったんだな・・・

2011-09-08 00:08:08 | オタネタ全般
元ラノベ界の覇者 「富士見」 が9月新刊で勝負を仕掛けてきた! さ あ 震 え る が い い
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52489554.html



↑これを見よ。
富士見ファンタジア文庫を知っている人ならきっと時代の趨勢を感じることになろう。

そういえば最近ぜんぜん富士見ファンタジア文庫ってほとんど読んでない気がする。
かつては1日2冊とかふつうに読んでたんだが、いまは年に何冊だとかいうペースすら達していないような気がする。
いつの間にやらずいぶんと遠ざかってしまったような・・・。

なぜこうなったのか?

その1つは電撃文庫が頭角を現したことにあることくらい読者なら誰でも知っている。



いまの富士見ファンタジア文庫は語れるほど知らんのだが、かつては電撃文庫との間にはある程度の棲み分けはあったように記憶している。

富士見ファンタジア文庫は、正統派的で王道なファンタジーを標榜する文庫だった。
かつ、文章力もラノベと片付けるには相応しくないかなりのレベルが要求された。

電撃文庫はそうではなかった。
とりあえずラノベであれば何でもOKであり、特に富士見ファンタジア文庫のような暗黙のジャンル規定などない。
かつて(富士見にとっての黄金時代)は作家の文章力という意味では1ランク違う感じを受けた。
電撃文庫には後追いとして応援したいようなムードがあったし、富士見ファンタジア文庫にはないはっちゃけた感やB級グルメ感を楽しむようなものと見る風潮もあった気がする。

そう、いかにラノベとはいえ、かつては富士見ファンタジア文庫は格式が高かったのだ。




その証左はファンタジア大賞にも見てとれる。
実のところ、ファンタジア大賞とはいうものの、大賞作などほとんど出なかったのだ。

めったに出ない大賞を受賞した作である ”風の白猿神” や ”12月のベロニカ” はすごかった。
この2作は今読んでもすごいだろう。
そしてこのレベルでしか大賞を取れないのかと多くの新人作家を畏怖させた。
読者からすれば、大賞を逃した新人作家の作品群を読み、大賞を出さないことに運営の傲慢さすら感じさせるほどだった。

しかし!

今はどうだ!?

大賞も出る。
金賞も出る。
募集は年1回から年2回へとなった。

なんとも変わったものだ。

その変わったものの最たるものは先のリンク先で紹介された新刊ではなかろうか。
表紙絵しか見てはいないが、かつての富士見ファンタジア文庫からは出そうにないような、いかにも電撃文庫っぽいような、そんな新刊だと思うのはわたしだけではないはずだ。

いや、違うな・・・。

変わったものの最たるものは、我々が富士見ファンタジア文庫をあまり読まなくなったことではなかろうか。
現に、既に日本最大の長編小説新人賞という立場から滑り落ちてしまっているし、本屋にいけば陳列量も電撃文庫に圧倒されているのは周知のとおりでもあるわけだ。



なぜ富士見ファンタジア文庫は電撃文庫に王者の座を譲り渡したのか?

わたしは語れるほどよく知らない。
ただ、正統派的で王道なファンタジーを標榜し文章力も高いレベルを要求する、その姿勢が間違いだったのではなかったのかと、そう運営が推測している可能性はある。
その推測から導き出された結論がこのたびの新刊だったのではなかろうかと、それを見た多くの者は思うだろう。



富士見ファンタジア文庫にしかない味は確実に存在する。
電撃文庫にしかない味もまた確実に存在する。

ゆめゆめ履き違えないように祈るばかりだ。