教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

金利が発散する限界値

2011-09-10 00:01:51 | 経済/経済/社会




いくつかの先進国の国債利回りを集計してみた。
調査元データはBloombergである。

ふつう債権は元本が返ってくるまでの期間が長ければ長いほど金利がじわじわ上がる。
これは、期間が長ければ金利変動の不確実性が増すので、その分だけハイリスクになるから、より高い利回りを要求されるというツジツマで説明される。

しかし、ギリシャはそれが成り立っていない。
期間満了までにバンザイするだろうと市場に思われたらそうなる。
(これは金利ではなくて債権の取引価格に換算しなおすとわかりやすい。)

そこまではわかった。
では、ヤバいヤツとヤバくないヤツの境界はどこなのか?

それがわかるのが上のグラフのイールドカーブなのだ。



わりとマトモだと思われている国の金利は右肩上がりになり、ヤバいと思われている国の金利は右肩下がりになる。
その中間のどこかで金利が期間に関係なく水平になるところがあるはずだ。

そのゾーンに入ると(または”超えると”かな?)、利回りは急上昇して手がつけられなくなる。

利回りが上昇すると利払いが多くなる。
そうすると懐事情はさらにピンチになる。
そして投資家にさらにヤバいと思われる。
よってハイリスクさに見合うだけのハイリターンを要求されるようになる。
かくしてまた金利が上がる。(以下戻る)

・・・という正帰還が発生する。

その境界がどこかというと・・・
グラフを見ればだいたい8%~10%のところにあるように見える。

そういう目で見ると、
 ・ギリシャは完璧アウト
 ・アイルランドはアウトになりかけ
 ・イタリアはまだギリギリ耐えている
というところだろうか。

まあ、金利1%とかで銭を借りられたら、よほどヘタでなければ何をやってもプラスになるだろう。
しかし、8%~10%で銭を借りざるをえないとしたら・・・
それは既に時限爆弾のカウントダウンが始まったのと同義である。
ある意味あたりまえといえばあたりまえかもしれない。






追伸1。
この議論は物価が安定している先進国(自称先進国は除く)にだけ通用する話で、インフレ傾向の強い途上国(および自称先進国)には全く当てはまらない。
なぜかというと、ここでは表面利回りと実質利回りをごっちゃにして話を進めたからだ。
そこはわかっているなら直せとか言われそうだが、まあいいじゃないか(笑)。

追伸2。
このグラフだけ見ると、米国債は長期債に比べて短期債が買われすぎなように見える。
でも、わたしにはそれがファンダメンタル的に何を意味するかというところまで解釈しきらん。
CFDやってる人にはこれはチャンスなのではないかと思うところもあるのだが、どうだろうね。

追伸3。
100年債というのがあったとしたら、どこの先進国もそんなにかわりばえしないような利回りになるのかもしれないね。