教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

日本と韓国のサイフ事情

2011-09-01 00:08:07 | 経済/経済/社会
【韓国】膨らむ家計負債、利払いが過去最高に 「物価が急騰し家庭の実質所得の伸びは事実上マイナス状態」
http://blog.livedoor.jp/newskorea/archives/1567453.html



どうやら日本と韓国では正反対のことがおきているようだ。

日本が不況で韓国が好況…ではもちろんない。
サイフ事情が正反対の意味で苦しんでいるということだ。



日本は円高。
韓国はウォン安。

日本は円高なので、輸出企業が苦しんでいる。
韓国はウォン安なので、輸出企業が儲けている。

そこまでは正しい。

しかし!

だから韓国はすごい…とはならない。
情報源がTVだけというアタマの悪い生活をしていると勘違いするところだが、実はそうではない。

韓国は為替操作国である。
それは中国より少しマシな程度の酷さである。

その韓国は為替操作をして何がしたいかというと・・・

韓国国内の輸出企業を儲けさせる事にある。

その為替操作をするとしわ寄せはどこに出るかというと・・・

通貨安によって輸入品の価格が上昇するため、庶民の生活にしわ寄せが出る。
ようするに悪性のインフレだ。

日本はエネルギーも食料も自給率が非常に低いが、その事情は韓国も等しい。
しかし、為替レートが全く違うので、庶民の生活へのしわ寄せは格段に違う。

South Korean Won/Japanese Yen (/KRWJPY)
http://jp.moneycentral.msn.com/Investor/charts/chartdl.aspx?symbol=%2fKRWjpy

↑これを見るといい。
ひところと比べると韓国ウォンの価値は半分強にまで落ちている。

日本でも
「ガソリン価格下がんねぇなー」
とボヤいている人も多いと思うが、実は韓国ではボヤくどころの騒ぎではないレベルにあるんじゃないかろうかと推測される。
おまけに韓国は軽自動車にのっているとバカにされるという超ハッタリ国家であり、エネルギー高騰問題はさらに輪をかけて深刻なのだ。

しかし!

韓国はなぜか電気代だけは安い。
日本の1/3である。

それを見て
「韓国はすばらしい! 政府と東電は韓国を見習うべきだ!」
というバカを何人も見たが、それも違う。

韓国はものすごく安い電気代に政府が固定している。
そこで電力会社はボロクソ赤字を垂れ流すハメになっている。
これも韓国国内の輸出企業を儲けさせるためにある。

その電力会社のボロクソな超赤字をいったい誰が補填するかというと・・・

いつか元に戻るか、電力会社が潰れるか、税金を投入するかのどれかしかない。
そのどれになったとしてもやっぱり庶民の生活へのしわ寄せになる。

通貨安にするということは、自国通貨建てではいつもとおなじ社員の給料を支払いつつ、外貨建てでは値下げした給料にすることで、社員から経営者のほうへ所得を移転するというのが本来の趣旨になる。

その経営者のほうへ移転した所得の一部が給料に還元されれば皆がハッピーになる。
というのが経済の教科書にある自由経済の展開だが、なぜか韓国はそうはならなかった。
というかなり不公平で悲惨な運命を辿っている。
ようするに韓国では、政府主導で誰も気がつかないうちに庶民のサイフから大企業へと所得を移転しているというわけだ。

まあ、そういう国内の構造的欠陥に庶民が気がつかないように竹島問題を全面アピールしているわけだが(笑)。



では、インフレが発生したらどうすればいいか?

外貨資産を持てばいいが、庶民に為替リスクを取れと言うのもまた無理がある。
よって、ふつうは不動産を持っていればいいという結論になる。
韓国ウォンが紙切れになったとしても不動産を持っていれば何か価値は残るはずだ、ということからそうなる。

その作戦は韓国では成功したか?

失敗した。
それは冒頭のリンク先を読めば分かる。

住宅取引は極めて不振。
しかし家計負債は急上昇中。
ようするに韓国は、生活が苦しいから自宅を担保に入れて借りた金で生活しているという寸法だ。



政府は通貨安により輸出企業を儲けさせることにした。
たしかに輸出企業は儲かった。
しかし通貨安は悪性のインフレを招いた。
悪性のインフレは庶民の生活を苦しめた。
政府のもくろみでは輸出企業を儲けさせて稼いだ外貨所得の一部は社員の給料として還元されるはずだった。
しかし思惑通りに庶民の給与所得は増えなかった。
給与所得がマイナスになった庶民のなかには自宅を抵当に入れて借金して暮らしはじめる者も現われはじめた。

これはいったいどうなんだ?

給与所得が増えるたぐいのインフレを伴わなければこの問題はどこかでバクダンに変化するという未来しか予想できない。

まあ、それでも輸出企業は儲かっているんだから、国全体としてはそれもアリなんじゃね?

という人もいるかもしれないが。
実はそれもビミョー。

韓国のメジャーな企業(たとえばサムソンだとか)は外国人保有比率は50%くらいになっている。
ようするに、政府が通貨安により庶民を犠牲にしてまで輸出企業を儲けさせた外貨収益の半分はまた外国へ還流していっているという寸法だ。
(ちなみに日本のメジャーな企業は外国人保有比率は25~30%くらいが平均と思われる。)



韓国経済は興味深い。
日本とは逆の意味でダメだからである。
TVがいうように、日本がダメで韓国は素晴らしいなんてことは決してない。