「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         米国の「トモダチ」作戦に感謝

2011-03-30 08:05:12 | Weblog
大正12年(1923年)9月1日の関東大震災を体験した世代はすでに数少なくなってきたが、僕が幼かった戦前の昭和の時代には、父母を始め沢山、これを体験した人がいて色々とその話を聞いたものだ。その中で一つ忘れられないのは、震災直後、米国がいち早く軍艦を芝浦沖に派遣し、被災者の救援に当たったことだ。数年前、震災関係の記念館に寄贈するまで我が家にあった「大震災記念帖」には、当時米国が建てた避難民用のテントの写真が載っていた。

14万人もの死者犠牲者を出した関東大震災は、犠牲者の数だけでいえば、今回の東北大震災より多い。発生が昼時であったこともあって地震による家屋倒壊で火災が発生したことと今回同様の津浪による被害が多かった。東京、横浜という大都会での大地震だけに震災直後に関東戒厳令司令部が設置され、治安は軍の管轄下に置かれた。

東京と関西、東北などとの鉄道による交通網は完全に遮断され、流言飛語がとびかった。戒厳令司令部は、当時東京からの唯一海の玄関口であった芝浦海岸(現在の港区海岸通り)にあった野球場を接収し、ここを拠点に救援活動に乗り出した。米国のテント村もここに建設され、軍艦から次々と救済物資が下され、負傷者の治療にあたった。

歴史は繰り返すのだろうか。今回の大地震でも世界各国の中で米国からの救援活動はきわだっている。在日米軍を中心に2万人もの人員を動員して「トモダチ作戦」を展開してくれている。近隣諸国の中には、なんの嫌がらせなのか、この時期に領空侵犯まがいの行為を繰り返ししている。救援を受けても、こういった国々が真の隣人なのかどうか。大正の関東大震災の時には、当時の日本の軍部の独走で、震災で深まった日米の友好関係は残念ながら破綻してしまったが、今回はそんな歴史を繰り返さないよう「トモダチ作戦」に感謝しよう。