「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      下町の名物 600㍍を越えたスカイツリー

2011-03-04 07:42:44 | Weblog
東京スカイツリーが数日前ついに高さ600㍍を越え電波塔としては世界一、人工の建造物全体でも世界ニ位(世界一はドバイのブルジェ・ハリファの828㍍)になった、と話題になっている。昨日、老妻が町会主催の本所防災センターの見学に出かけたついでに浅草から隅田川ごしにスカイツリーを写真に収めてきた。

東京では戦後昭和33年に完成した東京タワー(332・6m)半世紀にわたって日本一の高さを誇っていたが、ついに王座を奪われてしまった。昭和の時代を生きてきた僕にとっては、ちょっと寂しい気がしないでもない。

戦前の東京には高層な建築物がなかった。僕の記憶にあるのは、せいぜい銀座や日本橋のデパートぐらいだ。そこで調べて見たら戦前の一番高い建造物は昭和11年に建てられた国会議事堂の中央塔の9階建て65㍍であった。戦前は大正8年に施行された建築物に対する、いわゆる「百尺(31㍍)法」にしばられて高い建築物を建てることが禁止されていたのだ。

戦後の昭和25年になって、やっと「百尺法」が改正されたが、100m以上の超高層ビルが建てられたのは、それから20年も後の昭和45年に完成した霞ヶ関ビル(156㍍)であった。今でこそ200㍍を越す超高層ビルは、日本各地で見られるようになって珍しくなくなった。

スカイツリーのある業平橋界隈は、東京の山手生まれの僕はまだ行ったことがない。老妻の話では、完成前からスカイツリーを見に来る客で賑わっていたという。完成すれば浅草とセットで下町の観光名所となることは間違いない。