「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ”高校授業料の無償化”は大丈夫?

2011-03-02 07:19:23 | Weblog
男の孫の一人が昨日、都立高校に合格した。まずはめでたしだ。娘から合格の話を聞いた老妻が多少冗談まじりだが”高校の授業料無償化は大丈夫なのでしょうね”と僕に聞いてきた。民主党のマニフェストが子ども手当てまでグラツキ始めてきている。それを心配しての老妻の率直な質問なのだ。

戦後の教育改革前に育った僕は高校へはいっていない。国民学校(小学校)から中学校(旧制)それから大学予科に進んだ世代である。だから高校入試に相当するのは、旧制中学の試験だろうが、その当時東京でも中学に進学できるのはクラスでも三分の一程度であった。家庭の経済的な理由から残りの者は国民学校高等科(就学2年)へいった。

それに引きかえ、今は幸せな時代である。義務教育を終えた子どものほぼ100%が高校へ進学する。その上、授業料までが無償だというのだ。僕らが子どもだった頃にはとうてい考えられなかったことだ。

高校一年といえば昔の中学四年である。僕の四年に進級したのは敗戦の翌年の昭和21年だったが、僕が通学していた学校は空襲で僅かにコンクリートの校舎の外壁だけは残ったが窓ガラスは破れ、床も抜け、その中で暖房もなく授業を受けていた。食べるものも無く、授業は午前中だけで、下駄で通学していた者もいた。

合格した孫は早速制服の寸法を取ってきた、娘に報告してきた。娘は都立の高校を落ちたら私立の高校の入学手続きをするため、大金の入学金を用意していたが、それを使用しないで済んだと大喜び。だけど、政権が代わったら、この制度はどうなるのだろうか。余計な心配だが。