ビター☆チョコ

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ホワイト・ライズ

2007-01-23 | 洋画【は】行

NYで仕事を成功させたマシュー(ジョシュ・ハートネット)は、かつて暮らしたシカゴに戻ってくる。
仕事で訪れたレストランの電話室で、マシューは懐かしい声を聞く。
それは2年前に突然連絡が取れなくなった、かつての恋人リサ(ダイアン・クルーガー)の声だった。
今のマシューには婚約者がいて、責任のある仕事もある。
しかしかつての恋人の声は、マシューが忘れようとしていた想いを呼び覚ますのだった。
声だけを残して再び消えてしまったリサを探して
マシューは仕事も婚約者のことも忘れて、雪のシカゴの街に飛び出した。

先週観た「ラッキーナンバー7」のジョシュが素敵♪(正確にはジョシュのバスタオル姿なんですけど)と大騒ぎしてたら
カリスマ映画論の睦月さんが、ジョシュ主演の「ホワイト・ライズ」もおススメですよ、という情報をくれたので
早速借りてきました。
こーゆーことにはかなりフットワークが軽いです(笑)
鉄は熱いうちに打て。。意味違いますか?
善は急げ。。。とにかく見初めたイケメンは逃しません。

物語は、はじめから観る者を混乱させ、不安にさせます。
声とホテルのカードキーだけを残して消えてしまったリサを探して、マシューはホテルを訪ねます。
カードキーで部屋に入ると、すぐさっきまで人のいた気配がある部屋の中には誰もいません。
部屋に残された手がかりを辿っていくと、リサの居場所はつかめるのですが
リサの姿はどこにもありません。
物語は事件へと発展するのか、どこへ私たちを連れて行こうとしてるのか、全く見当がつかないまま進んでいきます。

そして現れるひとりの女性(ローズ・バーン)。
自らを「リサ」と名乗る女性は、マシューの探していたリサとは別人です。
でも、彼女こそが。。。。。。

「ホワイト・ライズ」。。透明な。。悪意のない嘘。と訳すのだそうです。

人は恋をすると思いがけない行動に出るものなのかも知れません。
自分の恋が叶わないと知った時、潔く身を引いて相手の幸福を願うのか、
あるいは叶わなかった恋の相手をどん底に突き落とそうとするのか。

はじめは悪意のない嘘でも、
嘘はどんどん嘘を呼び寄せて膨らんで、人の人生まで狂わせてしまいます。
嘘をついたほうも自分のついた嘘に縛られがんじがらめになって、自分の心までズタズタにしてしまいます。
叶わない恋だと知った時、自分の心を封印してしまったことが間違いの始まりだったのかもしれません。

なにをどう書いてもこのせつなさは伝えられません。
これほどラストシーンが待ち遠しかった映画はありませんでした。
昔ならいざ知らず、
ケータイが普及したこの時代でも、ちょっとしたことで人との繋がりは途絶えてしまうものなのですね。
しっかりとつながれてると信じてる手も、するりと抜けてうっかり見失ったら、2度と会えない、ということもあるのかもしれません。
サスペンスか、と思った映画は、せつなくて、胸がしめつけられる恋の物語でした。
雪のシカゴの街の寒さが、消えた恋人のぬくもりを より強く求めさせているようでした。

ジョシュはここでも素敵でした。
ジョシュの甘くて どこか頼りなげな雰囲気とダイアン・クルーガーの凛とした美しさが、
いっそうせつなさをかきたてました。