アリゾナに住むちょっと太目の女の子オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は美少女コンテストで優勝すること。
麻薬常習者でエッチなおじいちゃんの指導の下、ミスコン出場を夢見てダンスの練習に励む日々だ。
そんな時、オリーブがカリフォルニアのミスコンに繰り上げ出場することになった。
さあ大変。家にはお金がないから飛行機に乗れない。
自殺願望の強い伯父が転がり込んできたばかりだし、兄はもう長いこと家族と口もきかない。
心配で留守番させることも出来ない。
こうなったら家族全員でカリフォルニアまで大移動。
バラバラの家族はワーゲンのミニバスに乗り込んでミスコン会場を目指すことにする。
人生は勝ち組と負け組。
「勝ち組になるための9段階のシステム」を出版するために奔走する父親(グレック・ギニア)は、典型的な負け組。
家族にもことあるごとに「負け組にはなるな!」と大演説するのですが、そんなこと言ってる本人が一番の負け組なんだから、家族はみんな冷たい目で見ています。
お兄ちゃんはそんな家族が大キライだし、空軍のテストパイロットになる夢が叶うまで口をきかないことに決めています。
ニーチェにかぶれてるらしいんですけど、ニーチェって無言で過ごした人なのでしょうか。
そのあたりは良く分かりません。
おじいちゃんは老人ホームを追い出されるほどの不良老人だし、
そこにホモで失恋が元で自殺未遂をした伯父さん(スティーブ・カレル)まで転がり込んできます。
かなり個性的な家族の中で、おかあさん(トニ・コレット)と娘のオリーブだけがまともです。
見事にバラバラな家族が、これまたおんぼろのミニバスで旅に出ます。
信じられないほどのおんぼろバスで、まともにスタートも出来ません。
クラッチが壊れているので皆で車を押して、車がなんとか走り出したところで一人づつ車に飛び乗るのです。
これがとってもこの家族の姿を表しています。
子供のミスコンなんて、大人にしてみればどうでも良さそうなオリーブの夢を叶えるためにバラバラな家族がだんだん力を合わせはじめるのです。
そして皮肉なことにオリーブの夢に近づけば近づくほど
お父さんの夢もお兄ちゃんの夢も無残に消えてしまいます。
伯父さんの希望もおじいちゃんの命さえも。。。。
かなり悪趣味なミスコンをぶっ壊して車に乗り込むフーヴァー家の人々は、とっても吹っ切れた顔をしていました。
ミスコンに来る道ではミニバスに乗り込むときに引っ張りあげてもらったオリーブも
帰りは自力で飛び乗ってました。
ミスコンで優勝できなかったけど、ちゃんとオリーブも成長してたんだね。
「負け組とは負けることを恐れて挑戦しない者のことを言うんだ。」
不良じいさんもいいことを言います。
バラバラな家族がミニバスに乗り込んだことが、フーヴァー家の挑戦の始まりだったのかもしれません。
今年初めての映画鑑賞。
とってもあったかい気持ちになりました。
唯一の気がかりは「不良じいちゃんのその後」です。
どう考えても、あれで済むはずはないんですけどねー。