安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

パティ・ウィーヴァ― SINGS AS TIME GOES BY

2016-03-23 21:50:07 | ヴォーカル(L~R)

先日、松本市四賀(旧東筑摩郡四賀村)にある虚空蔵山に登ったのですが、帰りに四賀赤怒田の福寿草群生地に寄ってみました。あたり一面の福寿草は、信州長野県でも屈指の大きな群生地として知られてます。黄色くて可愛らしい花が咲いていましたが、以前にも何回か訪れたことがあり、この先も、ずっと変わることなく続いてほしい光景です。「As Time Goes By(時が経っても)というタイトルのアルバム。

PATTY  WEAVER (パティ・ウィーヴァ―)
SINGS...AS TIME GOES BY (RE/SE RECORDS 1976年録音)

   

ハーマン・ハプフェルド作詞作曲の「As Time Goes By」は、映画「カサブランカ」に使われて有名になりました。「時のすぎゆくままに」という邦訳がありますが、歌詞の内容からすると誤りで、「時が経っても」と訳すのが正しいということです(村尾陸男著ジャズ詩大全第1巻39ページ)。『どんなに時がたってもこういった当たり前のこと(キスはキス、ため息はただのため息)は変わらない』と歌われていきます。

そんな曲をタイトルにもってきたのが、パティ・ウィーヴァ―のこのアルバムです。デビューが1976年というのは、ジャズ・ヴォーカルにはいい時代ではなく、他にもアルバムはありますが、あまり売れなかったのではないでしょうか。編曲は、マンデル・ロウ(g)が行い、スヌーキー・ヤング(tp)やベニー・パウエル(tb)が加わったビッグバンドの伴奏で、曲によりストリングスも入ります。

曲はスタンダードです。「I'm Geginning to See The Light」(灯りが見えた)、「I'll Never Say Never Again」、「Get Happy」、「Why Did I Choose You」、「Just In Time」、「As Time Goes By」(時が経っても)、「where is Love?」、「My Ship」、「Spring Will Be A Little Late This Year」、「Someone To Watch Over Me」(やさしき伴侶を)の全10曲。ハリー・ウッズ作の「I'll Never Say Never Again」はやや珍しいかもしれません。

マンデル・ロウ(g)の編曲・伴奏を得て、パティー・ウィーヴァ―が快心の歌唱を繰り広げています。僕のものは、ジャケットにシュリンク(ビニールカバー)がかかったレコードで、多分、売れずに残ったものでしょう。「I'm Beginning to See The Light」ではダイナミックにスイングし、バラード系の「Why Did I Choose You」や「My Ship」、「Spring Will Be A Little Late This Year」ではメロディを美しく描いて、印象に残ります。はっきりしませんが、彼女はその後テレビ女優に転身したのではないかと推測しています。

【長野県松本市四賀赤怒田の福寿草群生地】

1.5haの斜面に約50万株の福寿草が自生しています。当日も多くのお客様がおみえになっていました。高級そうなカメラを使い、撮影に集中している方も何人もいて、この場所の知名度も上がっているようでした。
松本市四賀観光協会公式サイト:fukujyusou-shiga.net

   

   

   

   

里の風景。左側に見える斜面のところに、福寿草が群生をしています。遠くには北アルプスが見えています。


虚空蔵山登山 (長野県松本市四賀・東筑摩郡筑北村) (後編)

2016-03-22 19:48:12 | 登山・ハイキング

虚空蔵山登山の続きです。行程は、前編をご覧ください。蝶が舞っていたので、その姿も撮ってみました。

【復路 林道分岐~中の城跡~林道~四賀支所】

   

林道を上ってくれば、ここで左手に入り少し行くと遊歩道(登山口)入口になります。その前あたりに車が数台停めれそうです。

   

下りてきて、オゲ水(岩屋神社参道入口)です。ベンチに腰掛けて昼食にしました。

   

林道沿いの中の城跡入り口に立つ看板。標柱(この記事の前半、往路のところに写真があります。)もそばにあります。

   

中ノ城跡。

   

中ノ城跡から見た北アルプス方面。常念岳とその後方には穂高岳も見えます。

   

林道の途中から見た有明山方面。後方に燕岳が見えます

   

野球場の上の林道虚空蔵山線入口まで下りてきました。

   

廣田寺を過ぎて歩いていますが、途中会田宿の家並みを撮ってみました。

   

松本市四賀支所の駐車場に到着。出発前にこの支所で、登山口までの道順を教えてもらい、トイレも支所にあるものを使わさせていただきました。

【出会った蝶】

チョウの名前などは、Tさんから教えてもらいました。このチョウは、光が入る森(低木のあるところ)で見られるそうです。長野県内でも見られなくなっている地域もあるようです。

   

スジボソヤマキチョウ(メス)

   

スジボソヤマキチョウ(羽を広げているのがメス、黄色はオス)

   

スジボソヤマキチョウの求愛行動。ヒラヒラと舞っていました。

   

ヒオドシチョウ。

   

道端に咲いていたオオイヌノフグリ。

【穴沢温泉 松茸山荘別館(東山館)】

所在地:松本市穴沢(旧四賀村)
電話:0263-64-3993  営業:10:00~21:00(受付 20:30まで)
料金:450円
松茸山荘東山館ホームページ:Matutake-sansou

   

平日にもかかわらず、お客様が多くいて、人気のある温泉のようでした。


虚空蔵山登山 (長野県松本市四賀・東筑摩郡筑北村) (前編)

2016-03-21 19:46:39 | 登山・ハイキング

3月17日(木)に虚空蔵山(こくぞうさん、標高1,139m)に登ってきました。名前のとおり信仰の山で、山頂直下にある岩屋神社には、諏訪明神の本地仏である虚空蔵菩薩が祀られています。南側(松本市側)から見ると富士山に似ているので、会田富士と呼ばれています。

松本市役所四賀支所に車をおいて、旧善光寺街道会田宿を抜けて、林道を歩き、オゲ水(岩屋神社参道入口)から最短ルートで山頂に登り、本来よく使われる登山口に下りてくるルートをたどりました。帰りは、オゲ水(岩屋神社参道入口)にあるベンチで昼食休憩にし、林道を下る途中で右手に入り中ノ陣城跡まで往復し、再び林道を歩き、会田宿を抜け四賀支所へ戻りました。

歩行時間は、上り1時間20分、下り1時間50分ほどで、約3時間10分でした。福寿草群生地と穴沢温泉により、安曇野市の自宅経由で長野市へ帰りました。

【行 程】

長野市自宅発 7:45(国道403号、千曲市桑原、聖高原、国道303号、風越トンネル経由)。善光寺街道とほぼ同じルートをたどって、峠を2つ越えました。
松本市四賀支所(標高620m)駐車場到着 9:25

松本市四賀支所出発 9:40
林道虚空蔵山線入口 9:58 
虚空蔵山城跡中ノ陣城入口 10:29
オゲ水(岩屋神社参道入口)10:35~38(小休憩)、ここから林道をそれて登山道へ。
岩屋神社  10:50
虚空蔵山山頂到着 11:02

山頂出発下山開始 11:05
中間の標識(山頂まで350m) 11:21
ベンチ 11:25
登山口(遊歩道)着 11:34 (周囲散策)

林道虚空蔵山線下り開始 11:40
オゲ水(岩屋神社参道入口) 11:53~12:05 (昼食休憩)
虚空蔵山城跡中ノ陣城入口  12:12
中ノ陣城跡 12:18~12:24 (写真撮影)
林道虚空蔵山線入口(野球場の上) 12:54
松本市四賀支所着 13:14

四賀赤怒田福寿草群生地 13:40~14:10
穴沢温泉松茸山荘別館入浴  14:20~14:50
安曇野市自宅着 15:20 

【往路 松本市四賀支所~岩屋神社参道入口~山頂~登山口(遊歩道入口)】

   

松本市四賀支所から望む虚空蔵山

   

廣田寺。支所から750mくらいで、このお寺を右手にみて進みます。

   

廣田寺前の橋を渡り、ほどなく右折して運動広場(野球場)方面に進みます。

   

道の右側に野球場などがあり、左には公園が整備されています。ここから北アルプスも望めます。

   

野球場の上の分岐を左に折れて、林道「虚空蔵山線」に入ります。道幅もあり舗装されていて、普通乗用車で大丈夫です。この地点で支所から約1.5kmということです。

   

虚空蔵山城跡中ノ陣城入口、林道の左端に標柱があります。ここで支所から約3.3kmだそうです。

   

オゲ水(湧き水だそうです)。

   

オゲ水(岩屋神社参道入口)。標高940m、支所から約3.7km。舗装された林道に飽きたので、この先の遊歩道入口まで我慢できずに、この地点から山頂を目指しました。

   

オゲ水(岩屋神社参道入口)の横にある看板。登山ルートも入っています。

   

鳥居に向かって左側から入り、つづら折りの道を上っていきます。

   

フワフワとした道です。

   

岩屋神社。標高1057m。磨崖仏と洞くつに懸け造りの社殿があります。

   

神社を過ぎると大きな岩が見えます。

   

尾根の手前。岩もところどころにありますが、快適な上りです。

   

尾根に出た途端、この標柱がありました。山頂まで50m。雪が積もっていたので、ほんの少し左(林道花川原線方面)へ行っただけでしたが、もっと進むと展望の効く岩場があるようです。

   

山頂には、戦国時代に、地域を支配していた海野氏の一族・会田氏の本城(虚空蔵山城)が築かれていました。

   

山頂からの北アルプス方面。枝に隠れてよく見えません。尾根筋を左に行けばいい場所があるようですが、その時点では知りませんでした。

   

山頂からの下りですが、平らな尾根部分を進みます。こちらから上ってくるルートをとる人が多いようです。

   

遠く見える山は方角からすると美ヶ原などがある方面でしょうか。

   

頂上まで150m地点の標柱。

   

尾根の一部には細いところもありました。積雪は意外に多かったです。

   

山頂まで350m。このへんから下っています。

   

ベンチ。

   

枝が邪魔していますが、白馬方面の山も見えます。

   

下る途中ですが、道には雪がまだありました。

   

登山道(遊歩道)は、階段も整備されていて、上りやすくなっています。下りているので、反対を向いて撮っています。

   

登山道(遊歩道)入口。山頂まで800mです。

後編に続きます。


ダグ・レイニー INTRODUCING DOUG RANEY

2016-03-20 10:01:05 | ギター

ある方から退職の記念にと、相道寺焼のコーヒーカップをいただきました。相道寺焼(あいどうじやき)は、長野県北安曇郡池田町に県内で最も古いといわれる窯があったのですが、明治時代に途絶えてしまったものを、復活させたものです。陶芸の体験教室を開催すると同時に、製品も販売しています。作陶体験は人気があるようですが、いただいたカップも渋い色合いの上品なもので、珈琲の味が一段と引き立ちました。渋くて上品な演奏のアルバムを。

DOUG RANEY (ダグ・レイニー)
INTRODUCING DOUG RANEY (Steeple Chase 1977年録音)

   

ダグ・レイニー(g)は、1956年8月の生まれなので、もう60歳近くて、改めて年月の過ぎる速さに驚いています。というのは、このアルバムをその昔聴いて、若いのにずいぶんと成熟した演奏をしていたのにびっくりしたのを覚えているからです。有名なジミー・レイニー(g)の息子で、2代目だということもありました。聴いているのは、その当時購入したレコードです。

メンバーは、ダグ・レイニー(g)、デューク・ジョーダン(p)、ヒューゴー・ラスムッセン(b)、ビリー・ハート(ds)。これがレイニーの初リーダー作になりますが、デューク・ジョーダンをはじめ手堅いリズムセクションで、新人のセッションらしからぬ、落ち着いた雰囲気があります。もちろんジョーダンのソロも期待できます。

曲は、ジャズオリジナルとスタンダードが半々です。ジョン・コルトレーン作「Mr.P.C.」、チャーリー・パーカー作「Bluebird」、タッド・ダメロン作「Casbah」、サム・ジョーンズ作「Unit 7」、あとはスタンダードで「Someone To Watch Over Me」(やさしき伴侶を)、「The End of A Love Affair」(恋の終わり)、「I Remember You」、「Like Someone in Love」(恋の気持ちで)の全8曲。有名曲中心ですが、ダメロンの「Casbah」は、他にあまり聴けないだけに嬉しい選曲です。

ダグ・レイニー(g)をはじめメンバー全員が好演をした、オーソドックスなギター・アルバム。最初の「Mr.P.C」におけるスピード感を伴ったレイニーのロングソロが圧巻で、よく歌っています。パーカー作のブルース「Bluebird」でも4人がリラックスして、心地よいサウンドを作っています。バラードの「Someone To Watch Over Me」や、ギターとピアノだけで演奏される「Casbah」は、思い切ったスローテンポで詩情が感じられるなど、いい音楽を聴いたという満足感が味わえる作品。

【相道寺焼】

相道寺焼紹介ページ(さわやか信州旅ネット)

   

いただいたコーヒーカップ。大事に使います。


木馬 (群馬県前橋市)

2016-03-18 17:36:02 | ジャズ喫茶

3月12日の土曜日、久しぶりに群馬県前橋市にあるジャズ喫茶「木馬」に行ってきました。50周年を迎える老舗で、群馬県内はもちろん、近県からもお客様が訪れます。アルテックのスピーカーをはじめ、オーディオの設備も行きとどいていますが、マスターの根岸さんは、最近ではオリジナル盤の収集に力を入れていて、かけてくれるレコードはオリジナルやセカンドプレスのものが多く、迫力のある音に今回も驚かされました。

   

お店は1階です。駐車場は5台分あります。

   

カウンター。

   

右後方にも4人掛けのテーブル席があります。

木馬では、コンサートの主催を昨年まで続けてきていますが、マスターは、聴きたいミュージシャンももういないので、コンサートを催すのは昨年で終わりにしたと話されていました。レコードでよい演奏を聴くのが面白く、これからも聴いていきたいし、お客様にも聴いてほしいとのことでした。

   

アルテックのスピーカー。

   

木馬のレコードコレクションのうち、珍しいものやマスターが聴いてほしいものなどのジャケット写真を収めたファイルがあり、その中にあるレコードの話で盛りあがりました。その中から、フランク・ウェス(ts,fl)のムーズヴィル盤をかけてもらいましたが、オリジナル盤レコードの音は、フルート、テナーともに厚みがあって素晴らしいものでした。

   

   

左ページのものが素晴らしいそうです。

   

今までのコンサートのチケットやアーティストの写真を綴ったファイルがあって、それを見ながらの話も弾みました。ジャズの黄金期に活躍したミュージシャンばかりで、すごい記録になっています。マスターによると、きちんと残したわけではないので、抜けていたり、チケットだけがあったりするものが多く、全く不完全だとのことです。しかし、木馬の歴史を語っているものでもあり、お宝もののファイルです。

   

右のぺージは、北村英治(cl)グループです。年に2回くらい群馬県に呼んでいたようで、親交もあると話していました。

   

アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーン、シダー・ウォルトンと夢のような顔合わせ。

   

レッド・ガーランド、ソニー・スティット、ジョニー・グリフィンのチケット。

   

最近のものもありました。キャロル・ウェルスマンの2009年の前橋公演。

他にも、ズート・シムズ、オスカー・ピーターソン、ミルト・ジャクソン、ベニー・カーター、スタンリー・タレンタイン、ビル・エヴァンス、マックス・ローチなどジャズジャイアントの公演を催しています。そんなこんなで、話をしていると、あっというまに2時間が経過したので、また来ることを約束して、帰途につきました。

【木馬】

住所:群馬県前橋市下小出町2-1-12
電話:027-231-6520
営業:11:00~21:00
定休日:火曜日