安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

モダン・ジャズ・カルテット BLUES ON BACH

2018-08-19 20:05:37 | ヴァイブ、オルガン他

このところクラシックも聴いていて、短い夏休みの間にバッハの管弦楽組曲やラフマニノフの交響曲、ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコの唄などのCDをかけていました。バッハの作品は、ヘルムート・ミューラー=ブリュール指揮ケルン室内管弦楽団のテンポの速いメリハリのきいた演奏によるもので、爽快感があり暑い夏にピッタリでした。ジャズもバッハの音楽に関連あるものです。

THE MODERN JAZZ QUARTET (モダン・ジャズ・カルテット)
BLUES ON BACH (ATLANTIC  1973年録音)

   

モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)は、ジョン・ルイス(p)の音楽的志向を反映してクラシカルな演奏を行ったことも多かったのですが、このアルバムは、バッハの音楽に焦点を当てたものです。ルイスとミルト・ジャクソン(vib)の書いたブルースも間に挟まれいて、基本はモダン・ジャズです。

メンバーは、ジョン・ルイス(p,harp)、ミルト・ジャクソン(vib)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)。録音は1973年ですが、翌74年にはグループは解散するので、この録音あたりで、メンバー間の音楽的な方向性の違いが明確になったのかもしれません。もっとも、81年には再編成されるので、MJQの人気が変わらずにかなり高かったということでしょう。

曲はバッハの音楽に基づくものとオリジナルのブルースです。バッハの曲をルイスが編曲したものが、「Regret?」、「Rise Up In The Morning」、「Precious Joy」、「Don't Stop This Train」、「Tears From The Children」の5曲、オリジナルのブルースが「Blues In B Flat」、「Blues In A Minor」、「Blues In C Minor」、「Blues In H (B)」の4曲で、バッハ由来の曲とブルースは交互に収録されています。

モダン・ジャズ・カルテットは、素材をクラシックに求めても、ミルト・ジャクソン(vib)やジョン・ルイス(p)の即興パートがあるので、ジャズとして面白く聴けます。バッハの曲の編曲作品では、「Jesu Joy of Man's Desiring」(主よ人の望みの喜びよ)を基にした「Precious Joy」が有名メロディとともに、M・ジャクソン(vib)のソロが、哀感を湛えていて味わい深い。4曲のブルースは、バッハの編曲作品と違和感もなく、特に「Blues In A Minor」は、パーシー・ヒース(b)のソロも入り、リラックスしたグルーヴ感が出ていて、グループとしての魅力が発揮されています。

【お盆休みに聴いたクラシック音楽(CD)】

   

バッハ「管弦楽組曲第1番~第4番」。一枚のCDに収まり、テンポ速めの締まった演奏という感じがします。

   

ラフマニノフ「交響曲全集」。ウラディミール・アシュケナージ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。

   

アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)のベスト集。「私のお父さん」、「ムゼッタのワルツ」、「乾杯の唄」などオペラの名アリアなどが収められています。