安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

小泉和裕指揮 名古屋フィルハーモニー交響楽団演奏会(11月24日 上田市サントミューゼ)

2016-11-29 20:19:26 | 演奏会・ライブ

11月24日(木)に、上田市のサントミューゼで名古屋フィルハーモニー交響楽団の公演があったので、聴いてきました。名古屋フィルは、飯田市で毎年公演を行っていますが、それ以外の長野県内では多分初めてだと思います。ゲルハルト・オピッツのピアノを聴くことができるので、わくわくして出かけていきました。

   

指揮:小泉 和裕
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73「皇帝」
バルトーク/管弦楽のための協奏曲 Sz.116

(アンコール)
ブラームス/ハンガリー舞曲第5番

ゲルハルト・オピッツのピアノが素晴らしくて、夢のようなひと時を過ごしました。一音一音、これほどまでの美しい音(サウンド)を聴いたのは初めてです。ウィルヘルム・ケンプが師匠で、ドイツ音楽の正統的後継者と言われているようですが、納得のいくすごさでした。左右のバランスがよく、左手が回っていること、強弱のつけかた、リズムが躍動していることなど、スケールが大きく、なんといえばいいか、理想的な皇帝の演奏かもしれません。

   

「皇帝」は、オーケストラ部分も聴きどころの多い曲ですが、名古屋フィルはホルンや木管などいい演奏をしているように思えました。また、独奏者のゲルハルト・オピッツさんと指揮者の小泉和裕さんの息もぴったりとあっている感じでした。ピアノ協奏曲もたまに演奏会で耳にしますが、当夜の演奏は、独奏と伴奏にずれがないように聴こえました。

   

バルトークの管弦楽のための協奏曲が、地方公演で取り上げられることは、おなじみの名曲ばかりが演奏される地方の実情からすると画期的です。この曲は、弦楽器の強奏部分はわかりやすいメロディですが、全体には演奏するにも聴くにも難しい音楽の部類に入ると思います。各奏者ともに破たんのない演奏をしていて、名古屋フィルの実力は高いように感じました。