安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

モンティ・アレキサンダー LOVE AND SUNSHINE

2016-11-09 20:14:49 | ピアノ

雑誌「男の隠れ家」2016年12月号の特集は、「昭和レトロ喫茶、探訪」で、どこか懐かしい昭和の喫茶店大特集という惹句に釣られて購入しました。ジャズ喫茶でなくとも喫茶店自体が好きなので、こういう特集は歓迎です。行ってみたいお店がいくつも登場しましたが、さしあたり、神保町の老舗店や新宿の名曲喫茶を訪れたいと考えています。懐かしいアルバムがCD化されました。

MONTY ALEXANDER (モンティ・アレキサンダー)
LOVE AND SUNSHINE (MPS 1974年録音)

   

これは、レコードでよく聴いていた愛聴盤です。オスカー・ピーターソン(p)の後継者ともいわれたモンティ・アレキサンダー(p)に関心を持ったので買ってみたのですが、スインギーな演奏に加えて、音質もよく、一時期頻繁にかけていました。今までCD化がされていなかったのですが、今回CD化され、タワー・レコードから発売になったので、それを購入しました。

メンバーは、モンティ・アレキサンダー(p)、アーネスト・ラングリン(g)、エバーハルト・ウェーバー(b)、ケニークレア(ds)。アレキサンダーとラングリンは、ともにジャマイカ出身で来日経験があります。ラングリンは、スカやレゲエ音楽と関係があり、その面から興味を持つ方もいるかもしれません。使用されたピアノは、スタインウェイのフルコンサートですが、素晴らしい音で鳴っていて、楽器の選択や録音、さらには今回のCD製造などテクニカルな面にも配慮がされています。

曲はジャズ・オリジナル、映画音楽、ポップスのヒット曲と多彩です。ミルト・ジャクソン作「S.K.J」、チャーリー・パーカー作「Now's The Time」、ミシェル・ルグラン作「Summer Of '42」(おもいでの夏)、バートン・レイン作「On A Clear Day」 、スティーヴィ―・ワンダーのヒット曲「You Are The Sunshine of My Life」、ロバータ・フラックのヒット曲「Feel Like Making Love」。当時の最新曲に取り組んでいて意欲があり、またエンターテインメントに配意した選曲です。

明るくダイナミックにスイングするところは、オスカー・ピーターソンからの影響が伺えますが、特にバラードでは鍵盤を目いっぱい使って華麗なプレイを行っていて、アレキサンダー(p)の個性も発揮されています。グルーヴィーで躍動感にあふれている「S.K.J」や「Now's The Time」がハイライトで、ラングリン(g)のスムーズなソロも聴けます。バラードの「Summer Of '42」や「On A Clear Day」もアレキサンダーのテクニックや音色のよさがうかがえます。ウェーバー(b)とクレア(ds)はリズムを前に押し出していて、気持ちがよい。発売したタワー・レコードに感謝。

【男の隠れ家 2016年12月号】