ディスクユニオンから発売されている雑誌「JAZZ PERSPECTIVE」の10号(2015年6月刊)が発売されたので購入しました。特集は、ドイツのジャズで、その歴史や特殊性、主要なレコード・レーベル、アーティストなどについて書かれています。レーべルの一つに「ORGANIC MUSIC」が選ばれていましたが、同誌の広告にダスコ・ゴイコヴィッチの同レーベルからの新作があったので、注文しました。
DUSKO GOYKOVICH (ダスコ・ゴイコヴィッチ)
SECOND TIME AROUND (ORGANIC MUSIC 2015年録音)
実際には、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)とスコット・ハミルトン(ts)の双頭コンボによる録音です。僕は、ダスコ・ゴイコヴィッチの30年来のファンなので、だいたい買っていますが、2015年になっても新録が行われているのが嬉しいところです。二人のベテランによるモダン・スイング~ハードバップの肩の凝らないセッションだろうと見当をつけて購入しました。
メンバーは、ダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)、スコット・ハミルトン(ts)、Bernhard Pichl(p)、Rudi Engel(b)、Michael Keul(ds)。管楽器の二人は、有名ミュージシャンなのでカタカナ表記もできますが、リズムセクションの3人については、初めてです。よく練られたソロ、バッキングで、このピアニストは地味目ながらいい感じです。
曲は、スタンダード中心です。ハンク・モブレイ作「A Baptist Beat」(モブレイのものは「Roll Call」に収録)、Djalma Ferreira作で、モブレイの演奏で有名な「Recado Bossa Nova」(モブレイのものは「Dippin'」に収録)、「You're My Everything」、ケニー・ドーハム作「Lotus Blossom」、「I Fall in Love Too Easily」、ゴイコヴィッチのオリジナル「Blues For Gianni B.」、Ary Barroso作「Pra Machucar Meu Coracao」、「Love For Sale」、ホレス・シルヴァー作「Jucy Lucy」。ハンク・モブレイ関連の2曲にも興味が湧きます。
上品で暖かいメインストリームジャズが存分に楽しめます。「Recado Bossa Nova」などラテン系リズムも入れた賑やかな曲もいいですが、二人はバラードの名手でもあるので「You're My Everything」や、ゴイコヴィッチのミュートによる「I Fall in Love Too Easily」が、メロディを歌わせていて、胸に迫ってきます。ハミルトン(ts)は、スロー・ボッサの「Pra Machucar Meu Cracao」でゆったりとスイングし、「Recado Bossa Nova」では、ファンキーフレーズを吹いていて好調です。
【JAZZ PERSPECTIVE VOL.10】