安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

タード・ハマー HAMMER TIME 

2015-07-08 22:31:42 | ピアノ・トリオ

今年の梅雨期は、週末のお天気がよくなくて、山や高原に出かける計画も実行に移せないでいます。とはいっても、梅雨の晴間というのはあるもので、6月28日(日)は青空が顔を出しました。空気が澄んでいて、安曇野市の自宅近くから仰ぎみる北アルプスが頗るきれいでした。有明山もくっきりとした姿で、写真を撮ることができました。見通しのよいピアノ。

TARDO HAMMER (タ―ド・ハマー)
HAMMER TIME (SHARP NINE 1998年録音)

   

タード・ハマー(P)は、1958年生まれで、80年代からアート・ファーマー、クリフォード・ジョーダン、チャーリー・ラウズ、アニー・ロスらと共演をしてきたピアニストですが、1998年に録音したこのアルバムが、初リーダー作となります。今までに5枚のリーダー作を作っているほか、Sharp Nineレーベルのものをはじめとした多数の作品でサイドメンとしても聴けます。

メンバーは、タ―ド・ハマー(p)、デニス・アーウィン(b)、リロイ・ウィリアムス(ds)。ハマーのピアノを聴いていると、比較的近いのはバリー・ハリスだという気がしますが、ビバップよりのハードバップといったスタイルです。鍵盤を駆け巡るような派手な演奏とは異なりますが、伝統を踏まえたジャズピアノの面白さ、良さが味わえ、僕は彼の他のリーダー作も購入しました。サイドの二人は堅実ですが、アーウィン(b)はソロを結構とっています。

曲は、タッド・ダメロン作「Gnid」、デューク・ジョーダン作「No Problem」、セロニアス・モンク作「Reflections」、タード・ハマーのオリジナルが「Ski Ball」と「Plan B」、ヘンリー・マンシーニ作「Moment to Moment」、リッチ―・パウエル作「Time」、バド・パウエル作「Celia」、スタンダードの「I Concentrate on You」、「You Leave Me Breathless」の全10曲。バラエティに富んでいますが、ダメロンの「Gnid」やR・パウエルの「Time」を取り上げるなど、あまり演奏される機会のないバップ曲を選曲しています。

じわじわと良さが滲みだしてくるアルバム。ミディアムテンポが心地よい「Gnid」、リロイ・ウィリアムス(ds)の小技も冴える「No Problem」と最初から楽しめます。「Time」と「Celia」とパウエル兄弟の曲が続きますが、「Time」におけるハマー(p)の遅めのテンポによる静かな演奏は、リッチ―・パウエルへのオマージュかもしれません。モンクは得意ではないのですが、この「Reflections」は調和した和音を用いているので、すっと入ってきました。「You Leave Me Breathless」は、できればスローで聴きたかった。

【タ―ド・ハマー・ホームページ】

Tardo Hammer

【安曇野市明科から望む北アルプス】

   

有明山

   

   

   

常念岳