安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョー・パス SOUNDS OF SYNANON

2015-07-22 22:04:25 | ギター

先日、所用があって伊那市、駒ヶ根市近辺に行ってきました。お昼は、駒ヶ根市の東側に位置する「きりの実」という食堂に案内してもらいました。ソースかつ丼とそばのセットを頼みましたが、ヴォリュームがあり味もよくて、いいお店でした。また、お店の立地がよく、晴れていれば中央アルプスが見えるそうですが、あいにくの天気なので、おいてあった写真によって、いくつかの峰々の姿を連想しました。関連する人が集まったセッション。

JOE PASS (ジョー・パス)
SOUNDS OF SYNANON (PACIFIC JAZZ 1962年録音)

   

シナノンは、1958年に設立された麻薬療養施設で、ジャズ・ミュージシャンも入所したことで知られていますが、このアルバムは、シナノンで療養したミュージシャンを集めて録音されたものです。ジョー・パス(g)は、約3年間、ここに入っていて、入所中にコンボを作って週末に演奏を続けており、視察に訪れたリチャード・ボック(パフィシック・レコードの社長)の目にとまり、このレコードが誕生したとのことです。

メンバーは、ジョー・パス(g)、デイヴ・アラン(tp)、アーノルド・ロス(p)、グレッグ・ダイクス(baritone horn)、ロナルド・クラーク(b)、ビル・クロフォード(ds)、キャンディ・ラトソン(bongos)。一応、パスのリーダー作にはなっていますが、曲も持ち寄りで、実際には、パスとロスが中心になってのセッションです。アランやダイクスなど、無名ながら、いい演奏をするミュージシャンが集まっているのには驚きました。

曲は、メンバーのオリジナルです。パスとロスの共作「C. E. D」、デイヴ・アランの「Arron's Song」と「Self-Image」、アーノルド・ロスの「Stay Blues」と「Last Call For Coffee」、グレッグ・ダイクスの「Projections」、ジョー・パスの「Hang Tough」の全7曲。それぞれ佳曲が提供されていますが、中でも「Projections」や「Self-Image」は、哀感を帯びたテーマや落ち着いたサウンドで、ひときは目立ちます。

ジョー・パス(g)は「C. E. D.」で縦横無尽なソロをとる他、ブルージーなプレイもやっています。アラン(tp)は、チェット・ベイカーを少しハードにしたという感じで、自作の「Aaaron's Song」や「Self-Image」では旋律を美しく吹き、ロス(p)やダイクス(bh)も自作曲などでよくスイングした明るいソロをとっています。多分、各人ともに気合がかなり入った録音だったのではないかと推測しています。

【きりの実】

住所:長野県駒ケ根市東伊那578-4
電話:0265-82-3344
営業時間:午前11:30~午後9:00(準備中 午後2:30~午後6時)
定休日:毎週水曜日・木曜日(木曜日は予約のみ営業) 
紹介ホームページ :hitosara

   

きりの実外観。

   

入口

   

ソースかつ丼とそば定食。みそ汁の中には、この時期に地元でとれたキノコも入っていました。

   

中央アルプス方面。