「ディレクトリ」は、ファイル群の階層構造をあらわす懐かしい呼び名である。
いまは見方を変え、ファイルの入れものとして、「フォルダー」と呼ぶ。
階層構造は抽象表現で感じをつかみにくいが、入れものなら具体表現だからわかりやすかろうというわけか。
だが、ものごとを具体的に、具体的にと、それにとらわれていると、かえってわかりにくくなることもある。そこを逆手にとる狡猾なやりかたもある。たとえば数字のマジック。
Google の「さらにもっと」で「ディレクトリ」をあけてみると、「カテゴリ別 Google !」と書いてある。
このメニューが何であるかがすぐわかる。
看板はこういう具合にしてもらうとわかりやすい。
看板を見なくてもわかるぞという声も聞こえるが。
検索、検索とCMにもたびたび出てくるようになった。
これだけ体感させられれば、検索の意味も薄々わかるから、検索とは何かとわざわざ問う人も少なくなっただろう。
検索にもふたとおりある、「自分はこれを」と「何かないか」だ。
探すと見つけるの違いか。いや、少し違う。
見つけると見かけたらの違いに近い。
検索を使う人の数では、多分見かけたらのほうが多いだろう。
見つける道すじは直線に近いほうがよいが、見かけたらは散歩に似て回り道を苦にしない。
見かけたらは、もう検索という行為とは別種のことではないかと思う。
そこで「カテゴリ別 Google !」としたのか、さすが、と思った。
しかし、最初の扉の看板は「カテゴリ別に検索」ではないか。うむ?
まあ、世の中には証を立てない検証もあるのだから、探すことの意味を持たない検索もありか。